強み

Veritas In Silicoの強みは、独自のmRNA標的低分子創薬プラットフォーム「ibVISⓇ」を保有している点です。このプラットフォームは、従来の創薬標的の枯渇という課題を解決し、次世代の創薬における有力な選択肢とされています。同社は、このプラットフォームを活用し、さまざまな疾患に対応する低分子医薬品の創出を目指しています。製造コストの低減と品質管理の容易さから、抗体医薬や核酸医薬品と比較して、安価な医薬品の提供が可能となっています。 また、製薬会社との共同創薬研究を通じて、契約一時金、研究支援金、マイルストーン収入など、複数の収益源を確保し、リスクを分散させるビジネスモデルを構築しています。さらに、mRNA解析技術の向上により、mRNA標的低分子創薬にとどまらず、核酸医薬品やmRNA医薬品といった新たな事業領域への展開も期待されています。 同社は、複数の製薬会社との共同創薬研究プロジェクトを実施しており、これにより技術競争力を強化しています。共同創薬研究や自社研究で得られた知見は、プラットフォーム技術にフィードバックされ、大学との共同研究や他社との業務提携を通じて、新技術を積極的に取り入れています。

弱み

Veritas In Silicoの弱みとして、医薬品の研究開発には不確実性が伴う点が挙げられます。特に同社はプラットフォーム型ビジネスモデルを採用しており、研究開発の進行を自社だけでコントロールすることができません。そのため、提携先の方針に影響されることがあります。また、現時点ではリード化合物の最適化までの創薬研究プロセスを完了した実績がないため、今後の研究開発の進捗に注視が必要です。 加えて、小規模な組織であるため、各役職員の業務範囲が広くなる傾向にあります。これにより、人材の確保や育成が課題となることがあります。さらに、特に創業者である代表取締役社長に対する依存度が高いため、経営陣に不測の事態が発生した場合、事業運営に影響を及ぼす可能性も考えられます。 また、研究用資材の調達や研究所の使用に関してもリスクが存在します。調達先の事故や災害、施設の使用不能などが事業継続に影響を与えることがあります。収益構造が契約一時金、研究支援金、マイルストーン収入に依存しており、このため収益の変動性が高い点も弱点の一つです。加えて、海外の製薬会社との取引により、為替変動リスクにもさらされる可能性があります。情報セキュリティや風説・風評によるレピュテーションリスクも存在し、これらにも注意が必要です。