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ニッスイ
ニッスイ オルタナティブデータ
ニッスイ 株主総会議案データ
ニッスイについて
強み
ニッスイの強みは、水産資源を顧客の生活に結び付ける事業を国内外で展開している点にあります。具体的には、水産事業、食品事業、ファイン事業の3つの主要事業において、それぞれの領域を強化し、事業領域の境目で融合を進めることで、より高い成果を目指しています。 水産事業では、漁撈、養殖、加工・商事といった幅広い分野をカバーしています。食品事業では、加工食品やチルド食品を提供し、ファイン事業では、医薬原料、機能性原料、機能性食品などを取り扱っています。これらの事業を支えるために、グローバルリンクスという国内外の企業ネットワークを活用し、資源アクセスから生産・販売までの各機能を担い、独自の強みを生かしつつシナジーを発揮しています。 また、ニッスイは「健康経営」を重視し、社員の健康をサポートする取り組みを行っています。水産物由来の機能性成分を活用した施策で社員の健康づくりに注力し、「健康経営優良法人」や「健康経営銘柄」に選定されています。さらに、多様な人材の確保と育成にも力を入れており、女性管理職の比率向上や、仕事と育児の両立支援にも取り組んでいます。 リスクマネジメントにおいては、経営戦略リスクと経営基盤リスクを統合的に管理し、事業戦略に影響を与える可能性のある重要リスクを特定し、対応策を講じています。特に、海外事業展開に関するリスクや地政学的リスクに対しては、情報収集や分析を行い、サプライチェーンの強靭化を図っています。 これらの強みを活かし、ニッスイは「新しい“食”の創造」というミッションを共有し、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。
弱み
ニッスイの弱みとして、まず水産事業における市況変動の影響を受けやすい点が挙げられます。特に、鮭鱒やすりみといった主力製品の市況が下落すると、業績に直接的なマイナス影響が出ることが示されています。また、北米加工事業においては、すけそうだらの漁獲枠が増加したにもかかわらず、人件費などのコスト増に加え、すりみやフィレ価格の大幅な下落により減益となっています。このように、外部環境の変化に左右されやすい側面があります。 さらに、ファイン事業では売上高が減少し、営業損失が発生しています。この事業は医薬品原料の海外展開を進めていますが、収益性の改善が課題となっています。 また、人的資本に関するリスクも存在します。具体的には、管理職における女性比率が低い点が指摘されており、特に課長級や部長級の女性管理職の母集団形成が不十分であることが、男女間の賃金差異の要因となっています。このため、女性の計画的な採用や育成、仕事と育児の両立環境の整備を進める必要があり、人材育成と多様性の確保が課題となっています。 加えて、海外事業展開におけるリスクも無視できません。事業展開する国における経済環境や法規制の変更、為替の急激な変動などが事業戦略や収支に影響を与える可能性があり、グローバルガバナンスの強化が求められています。また、地政学的な問題もリスク要因として認識されており、サプライチェーンにおける政治的・軍事的・社会的な情勢変化による製品供給の遅延や中断なども考慮する必要があります。 これらの課題に対処するため、ニッスイはリスク管理体制の強化やサプライチェーンの強靭化、グローバルガバナンスの強化に取り組んでいますが、これらの取り組みを継続し、事業ポートフォリオのバランスを改善することが重要です。