強み

株式会社ホーブの強みは、いちごの育種から苗の生産・販売、栽培指導、果実の仕入れ・販売までを一貫して行う総合力にあります。自社で開発した四季成性いちごの品種は、病害虫に強く、作りやすく、収穫量が多いという特徴があり、生産農家にとって計画に組み込みやすい品種です。同社は、組織培養技術を用いて、優良な均一無病苗を短期間で大量に生産する技術を持っており、これにより高品質な苗を安定的に生産農家に供給しています。また、苗生産分業システムを確立しており、生産農家の作業負担を軽減しています。さらに、全国の生産農家に対して、栽培指導をきめ細かく行うことで、高品質ないちごの安定的な入荷を実現しています。独自の輸送システムも強みであり、クールコンテナや一段トレーソフトパックを使用することで、低温管理と振動の少ない輸送を実現し、高品質を維持した長距離流通を可能にしています。これらの強みにより、同社は業務用いちご市場で高い競争力を持っています。

弱み

株式会社ホーブの弱みとして、天候に左右されやすいという点があげられます。同社の主要な事業であるいちごの生産は、ビニールハウス内で行われているものの、気温や日照などの天候の影響を受けるため、収穫量や品質が不安定になる可能性があります。特に、近年は異常気象の影響を受けやすく、2024年6月期の決算では、猛暑や残暑により出荷数量が大幅に減少しました。また、自社品種苗の生産に約3年の期間を要するため、販売計画の修正に対応しきれない場合、過剰な苗の廃棄が発生するリスクがあります。さらに、生産農家の高齢化や減少も懸念材料であり、これが収穫量の減少につながる可能性があります。加えて、他社や都道府県も四季成性いちごの品種開発を進めており、競争激化による業績への影響も考えられます。また、運送事業においては、2024年問題に直面しており、配送効率の良い新規配送の受託が課題となっています。