強み

株式会社ホクリヨウの強みは、鶏卵事業における一貫体制です。雛の育成から採卵、製造、販売までを自社で一貫して行うことで、品質管理を徹底し、安全・安心な製品を提供しています。特に、雛専用の育成農場を持ち、自社で雛を育成している点は、他社との差別化要因となっています。サルモネラ対策として、全ての雛にワクチン接種を実施し、ウインドレス鶏舎を採用することで、衛生管理も徹底しています。また、アニマルウェルフェアへの意識も高く、平飼い卵の生産・販売にも注力しており、付加価値卵の開発・販売にも力を入れています。さらに、発酵鶏糞肥料の製造・販売も行っており、鶏糞の農地還元を基本とする循環型社会の形成に貢献している点も強みです。近年は、海外市場への展開も積極的に行っており、事業領域の拡大を目指しています。独自の飼料製造にも取り組み、飼料コスト低減のための研究も実施しています。

弱み

株式会社ホクリヨウの弱みとして、まず鶏卵相場に業績が左右されやすい点が挙げられます。鶏卵は相場商品であるため、価格変動の影響を受けやすく、収益が不安定になりがちです。また、飼料価格の高騰も大きなリスク要因となっています。飼料費は生産コストの大部分を占めており、価格変動は業績に大きな影響を与えます。さらに、鳥インフルエンザの発生も経営上の大きなリスクであり、2023年には千歳農場で発生し、大きな損害を受けました。人件費や物流費の上昇もコスト増の要因であり、これらのコストを販売価格に転嫁していく必要性があります。また、事業が鶏卵事業に偏っているため、市場の変化や競合の状況に影響を受けやすいというリスクもあります。人口減少が進む北海道市場に依存している点も課題であり、販売市場の拡大が求められます。人材育成においては、社員の定着率が目標に達していない点、労働災害が発生している点も課題として挙げられます。