強み

株式会社安藤・間の強みは、長年の歴史と実績に裏打ちされた高い技術力と総合力です。同社は、1889年の創業以来、土木・建築分野で多様なプロジェクトを手がけ、特に大型土木工事において豊富な経験と実績を積み重ねてきました。この長年の経験を通じて培われた技術力は、複雑なプロジェクトを遂行する上で大きな強みとなっています。また、同社は、多様な資格を持つ人材を育成しており、技術士や一級建築士などの資格取得支援を強化し、資格保有者への手当を新設することで、社員の自律的なキャリア形成を後押ししています。さらに、多様な人材が活躍しやすい職場環境づくりにも力を入れており、フレックスタイム制度や在宅勤務制度を導入し、育児や介護と仕事の両立を支援する制度を整備しています。 同社は、気候変動リスクへの対応にも積極的に取り組んでおり、将来の気温上昇シナリオを想定したリスク分析を実施し、サプライチェーン全体への影響を評価しています。この分析に基づき、財務影響を想定し、リスク管理体制を構築しています。同社はまた、株主還元の強化にも取り組んでおり、中期経営計画において連結総還元性向70%以上を目標としています。これらの取り組みは、同社の持続的な成長と企業価値向上を支える重要な要素となっています. 加えて、同社はリスク管理体制を強化しており、事業に重要な影響を与えるリスクについて内部統制・リスク管理委員会で検討し、サステナビリティ委員会での審議を経て取締役会に報告しています。コンプライアンス体制も強化しており、コンプライアンス推進委員会を設置し、グループ全体でコンプライアンス意識の浸透・向上を図っています。これらの体制強化は、同社の事業活動の安定性と信頼性を高める上で重要な役割を果たしています。

弱み

株式会社安藤・間の弱みとして、まず挙げられるのは、建設業界全体の景気変動の影響を受けやすいという点です。建設業界は、政府や民間の建設投資の動向に左右されやすく、景気後退時には受注が減少するリスクがあります。また、資材価格の高騰や労務費の上昇も、同社の収益性を圧迫する要因となっています。これらのコスト増は、同社の利益率を低下させる可能性があり、経営上の課題となっています. さらに、同社は、海外景気の下振れリスクにも注意する必要があります。各国の金融政策の影響や物価・エネルギー価格の上昇、金融資本市場の変動などが、同社の事業環境に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの外部環境の変化に対する柔軟な対応が求められます。 また、キャッシュフローの変動も見逃せない点です。営業活動によるキャッシュフローは、売上債権の増加などの資金減少要因が資金増加要因を上回り、減少傾向にあります。投資活動および財務活動によるキャッシュフローも資金減少となっており、現金および現金同等物の期末残高は減少しています。これらの状況は、同社の資金繰りに影響を与える可能性があり、注意が必要です。 加えて、同社は、収益認識における工事原価総額の見積りにおいて、不確実性を伴う経営判断を行っています。工事原価総額は、過去の工事の施工実績を基礎としていますが、外注価格や資機材価格の高騰、施工中の追加原価発生など、予期せぬ事象により増加するリスクがあり、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。