強み

大成建設の強みは、多岐にわたる事業領域と、国内外に広がるグループネットワークによる総合力です。土木、建築、開発の各事業において、それぞれ専門性の高い子会社・関連会社を有し、グループ全体で連携することで、多様なプロジェクトに対応できる体制を構築しています。特に、土木事業においては、高い技術力と豊富な経験を持ち、大規模なインフラ建設プロジェクトを成功させてきた実績があります。建築事業においても、多様な建築物の設計・施工に対応できる能力を有し、顧客のニーズに応じた高品質な建築物を提供しています。また、開発事業では、不動産開発から管理・運営までを一貫して手掛けることで、事業の安定性と収益性を確保しています。さらに、環境・社会課題の解決に貢献する技術開発を推進しており、脱炭素社会の実現に向けた取り組みも積極的に行っています。これらの強みを生かし、大成建設は持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。また、技術開発にも注力しており、自動運転社会を見据えた「まちづくり」をリードしています。

弱み

大成建設の弱みとして、まず、資材価格の変動リスクが挙げられます。原材料価格の高騰が請負代金に反映できない場合、工事収支が悪化する可能性があります。このリスクに対し、資材価格動向のモニタリングや集約購買などの対策を講じていますが、完全に回避することは難しいとされます。次に、保有資産リスクがあります。市場価格に基づいて評価される不動産や有価証券などの資産を保有しているため、時価の下落により資産が毀損するリスクがあります。統合リスク管理によりリスク資産残高を抑制していますが、市場変動の影響を完全に排除することは困難です。さらに、金利水準の変動もリスク要因です。金利が急激に上昇した場合、資金調達コストが増加するリスクがあります。また、知的財産侵害のリスクも存在します。自社が持つ施工技術や商品・サービスが他者に侵害された場合、受注機会の逸失や訴訟コストが発生する可能性があります。知的財産関連情報の共有や啓発活動を行っていますが、侵害を完全に防ぐことは難しいでしょう。不適切な財務報告のリスクも懸念されます。内部統制体制を整備していますが、担当者の錯誤などにより財務報告が適正に行われなかった場合、上場廃止などのリスクが生じます。さらに、反社会的勢力との関わりによるリスクや、施工不良による品質リスクも存在します. また、建築事業においては、手持ち工事の利益率低下や工事損失引当金の計上により、営業損失を計上しており、収益性の改善が課題と言えるでしょう。