強み

松井建設の強みは、長年にわたり培ってきた伝統的な建築技術と、それらを現代の技術と融合させる能力です。特に、神社仏閣や城郭・文化財などの社寺建築において豊富な実績と高い専門性を有しており、これらの技術を次世代に継承することを重要な使命としています。また、同社は、顧客との信頼関係を重視しており、顧客の立場に立って考え、行動することを基本方針としています。さらに、バランスの取れた受注を確保するため、特定の用途に偏ることなく、幅広い分野での建設プロジェクトに携わっています。提案型の受注活動や、メンテナンス、耐震改修、リニューアル工事などのきめ細やかな営業活動にも注力しており、安定した工事量の確保に努めています。加えて、財務体質の健全性も強みの一つであり、受注産業としての建設業の特性を考慮しつつ、常に財務の健全化を図っています。

弱み

松井建設の弱みとしては、まず受注価格競争のリスクが挙げられます。建設業界は競争が激しく、価格競争に陥ると収益性が悪化する可能性があります。また、取引先の信用リスクも存在し、工事代金回収前に取引先が支払不能になると経営に影響が出ることがあります。さらに、建設資材価格の高騰リスクも課題であり、受注から完成までの期間が長いため、資材価格の変動を請負金額に反映させにくい場合があります。加えて、工事施工中の事故や製品の欠陥リスクも経営上の懸念材料となります。 また、業績面では、利益率の低下が課題となっており、売上高は増加しているものの、営業利益や経常利益は減少傾向にあります。特に、2024年3月期の連結業績では、売上高は増加したものの、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも大幅に減少しています。不動産事業においても、開発型不動産売上の減少により、売上高が減少しています。