強み

西松建設の強みは、まず、多様な事業ポートフォリオを持っている点です。建設事業に加えて、不動産関連のアセットバリューアッド事業、再生可能エネルギーやまちづくりを含む地域環境ソリューション事業を展開しており、多角的な収益基盤を確立しています。また、国内外での事業展開も強みです。海外では、タイ、ラオス、ベトナムなどで建設事業を展開しており、国際的なプロジェクトにも対応できる能力を有しています。さらに、技術力の高さも強みの一つです。例えば、人力による杭の簡易載荷試験の管理団体を設立したり、コンクリートの初期強度発現性を改善したポンプ圧送助剤を開発するなど、品質向上技術に積極的に取り組んでいます。また、サステナビリティ経営にも力を入れており、サステナビリティスローガンを策定し、重要課題（マテリアリティ）を特定、KPIツリーを策定するなど、持続可能な社会の実現に貢献しようとしています。リスク管理体制も整備されており、コンプライアンス監査や研修の実施、内部通報窓口の設置など、法令遵守とリスク管理を徹底しています。加えて、株主総利回りが高いことも強みとして挙げられます。

弱み

西松建設の弱みとして、まず、建設コストの変動リスクが挙げられます。資材価格や調達状況の変動により、建設コストが大幅に増加する可能性があり、それが業績に影響を与えることがあります。また、施工品質リスクも存在します。工事目的物に重大な欠陥が発生した場合、顧客からの信頼を損なうだけでなく、損害賠償金の支払いによって業績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、コンプライアンス違反リスクも潜在的に存在します。従業員による不正行為や法令違反が起きた場合、企業としての信頼を失い、業績にも影響を及ぼす可能性があります。また、情報セキュリティリスクも重要です。情報システムの機能に支障が生じた場合、事業活動や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。自己資本比率が低いことも懸念事項です。加えて、女性管理職の割合が低いという課題も抱えています。