1833
奥村組
決算月:
3月
業種:
建設・ゼネコンMetrics
企業分析
強み
奥村組の強みは、多岐にわたる事業展開と、長年の歴史で培われた技術力、そしてリスク管理への取り組みにあると考えられます。土木、建築、投資開発の3つの事業セグメントを持ち、公共投資の縮減や景気後退などのリスク分散を図っています。特に、鉄道関連工事における中長期的な受注量の確保が期待されており、京阪ホールディングス㈱、京成電鉄㈱、東海旅客鉄道㈱など、多くの主要取引先の株式を保有し、関係強化を図っています。男性労働者の育児休業取得率が96.9%脱炭素化の推進など、持続可能な社会への貢献も目指しています。
弱み
奥村組の弱みとしては、まず、建設事業への依存度が高い点が挙げられます。建設投資の動向に業績が左右される可能性があり、公共投資の縮減や景気後退による民間設備投資の縮小は、受注環境を悪化させ、業績に影響を与える可能性があります。また、資材価格や労務費の高騰もリスク要因となり、コスト増加分を請負代金に反映できない場合は、収益性の低下を招く恐れがあります。さらに、重大な欠陥が発生した場合の契約不適合責任や、労働災害発生時の企業評価の悪化も懸念されます。保有資産の価格変動リスクもあり、国内外の景気動向や金利動向、不動産市況の変動は、保有不動産の時価の低下や収益性の悪化につながる可能性があります。さらに、女性管理職の割合が4.0%と低いことも課題です。技術面では、建設資材に含まれる天然資源の浪費による持続可能性の減退も懸念されており、リサイクルによる資源の有効活用が求められています。これらの弱みを克服するために、事業ポートフォリオの多様化、コスト管理の徹底、品質管理の向上、労働安全衛生の徹底、女性活躍の推進などの取り組みが重要になると考えられます。