強み

金下建設の強みとして、まず挙げられるのは、長年の実績と経験です。1935年の創業以来、建設業界で培ってきた技術力とノウハウは、同社の大きな強みとなっています。また、道路舗装工事から事業を拡大し、建築工事にも進出するなど、多様なニーズに対応できる技術力を有しています。さらに、アスファルト合材の自社製造や産業廃棄物の中間処理といった、建設事業に付随する事業も展開しており、多角的な事業展開も強みの一つです。加えて、地域に根差した事業展開も特徴で、京都府を中心に、官公庁や学校法人、社会福祉法人など幅広い顧客との取引があります。これらの顧客との安定的な関係は、同社の収益基盤を支えています。また、自己資本比率が高いことも特徴で、2023年12月期には81.6%となっています。この高い自己資本比率は、経営の安定性を示すとともに、外部環境の変化にも対応できる柔軟性につながっています。

弱み

金下建設の弱みとしては、まず、建設業界全体が抱える課題が挙げられます。具体的には、建設資材価格や労務費の高騰による建設コストの上昇、慢性的な人材不足、受注競争の激化などが挙げられます。これらの外部要因は、同社の収益性を圧迫する可能性があります。また、同社は売上高の多くを建設事業に依存しており、この事業セグメントの動向が業績全体を大きく左右します。2023年12月期の受注工事高は、民間工事の減少などにより、前期比20.7％減と減少しており、受注の変動による業績への影響も懸念されます。さらに、特定顧客への依存度が高いことも課題として挙げられます。2023年12月期の完成工事高では、京都府、社会福祉法人北星会、国土交通省の3社で全体の40％以上を占めています。特定の顧客に依存した事業構造は、取引先の経営状況や政策変更などの影響を受けやすく、事業の安定性を損なう可能性があります。さらに、女性管理職の割合が低い点も課題と言えます。2023年12月期においては、管理職に占める女性労働者の割合は4.3%にとどまっています。