強み

積水ハウスグループの強みは、「技術力」「施工力」「顧客基盤」というコアコンピタンスにあります。これらの強みを活かし、商品・技術開発から、営業・設計・施工・アフターサービスまで、住まいづくりに関わる全てのプロセスを自社グループで担う独自のバリューチェーンを構築しています。 同社は、顧客のニーズに合わせた高品質な住宅を提供しており、特に安心と快適性・環境配慮を両立する住宅へのニーズに対応できる点が強みです。また、国内での安定成長と海外での積極的成長を基本方針とし、グローバルビジョン「『わが家』を世界一幸せな場所にする」の実現に向けて、第6次中期経営計画を推進しています。 さらに、多様な働き方を推進しており、心理的安全性の高い職場づくりや、男性育児休業1ヶ月の完全取得率100%を達成するなど、従業員の働きがいを重視した職場環境を整備している点も強みです。また、女性活躍支援にも注力しており、女性取締役の登用や女性管理職の人数増加、女性新卒採用比率の向上に取り組んでいます。 積水ハウスグループは、リスク管理体制も強化しており、人権に関するリスク、気候変動に関するリスク、人財確保に関するリスクなど、さまざまなリスクに対応するための体制を整備しています。また、国内外のグループ会社における監査体制も強化しており、内部監査部門や会計監査人との連携を通じて、より迅速な課題対応につなげています。

弱み

積水ハウスグループの弱みとして、まず海外事業におけるガバナンス体制の課題が挙げられます。海外事業の拡大に伴い、ガバナンス人財の充実や内部監査体制の構築が求められており、事業拡大のスピードに合わせたガバナンス体制の充実及び内部監査体制の構築・強化が途上であると指摘されています。特に、海外子会社・孫会社でのガバナンス人財の不足は、今後の課題として認識されています。 また、女性活躍推進においては、管理職に占める女性労働者の割合がまだ低い状況です。同社は女性活躍支援を推進していますが、更なる取り組みが求められています。 さらに、市場環境の変化に対する対応力も課題として挙げられます。アメリカの住宅市場では、住宅ローン金利の高水準により住宅着工が調整局面にあるものの、安定的な人口増と良質な住宅の供給不足を背景とした潜在的な需要は強く、物価と金利水準の安定化とともに回復することが想定されるため、同社はこれに対応する必要があります。また、自然災害等のリスクに対する対応も重要であり、海外子会社の従業員や出張者が自然災害やテロ・暴動等に巻き込まれるリスクに備えた対応マニュアルの整備や迅速な情報共有体制の構築が必要です。 内部統制システムの運用状況についても、監査役による状況確認を充実させることが重要であると指摘されています。また、グループ全体の監査体制の強化も今後の課題であり、内部監査部門と連携し、各子会社の監査機能の充実度を評価しながら、監査役が、グループ全体の監査体制強化の状況を確認する必要があります。