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日和産業
日和産業 オルタナティブデータ
日和産業 株主総会議案データ
日和産業について
強み
日和産業株式会社の強みは、長年の事業経験と顧客との信頼関係に基づいた、飼料事業と畜産事業の連携による安定的な事業基盤にあります。1924年に設立され、配合飼料の製造・販売で培ったノウハウと、顧客との信頼関係は大きな強みとなっています。 安定した飼料供給力を誇り、顧客第一主義を掲げ、安全で高品質な配合飼料を安定的に供給することを経営方針としており、飼料畜産業界の発展に貢献しています。また、配合飼料の製造・販売から畜産物の生産・販売までを一貫して手掛けており、子会社の東和畜産㈱では肉鶏・肉豚の肥育・販売を行っています。これにより、飼料事業との連携で安定した事業運営が可能です。 穀物相場や為替相場、畜産物相場の変動など、外部環境の変化に対しては、為替予約の活用や飼料価格安定基金制度への加入など、リスク低減のための対策を講じています。社内では、各部門に精通した社内出身者と専門性を有する社外出身者で構成された取締役会がリスク分析を行っています。 人材育成では、性別や国籍に関係なく、公正に能力や識見、人格を評価し、多様な人材を管理職に登用する方針を採用しています。また、社員への早期の権限委譲を通じて、社会人としての良識と高い職業観を有する人材育成にも取り組んでいます。 財務基盤については、売上高は増減を繰り返していますが、直近の当期純利益は大幅に増加しました。自己資本比率はやや低下傾向にありますが、安定した財務基盤を維持しています。 これらの強みを活かし、販売強化や設備更新によるコスト削減を続けることで、さらに業績向上を目指しています。
弱み
日和産業株式会社の弱みとしては、外部環境に左右されやすい事業構造、コスト面での課題、人材面での課題が挙げられます。 外部環境への依存として、まず穀物相場リスクがあります。配合飼料の主原料であるトウモロコシなどの仕入れ価格は、シカゴ穀物相場に左右されやすく、天候や作付け状況によって価格が大きく変動する可能性があります。このような穀物相場の高騰は、売上原価に直接的な影響を与え、収益性を悪化させるリスクがあります。また、為替相場リスクもあります。輸入原料に大きく依存しているため、為替相場の変動により仕入れコストの影響を受けやすく、円安時には売上原価が増加する可能性があります。為替予約によるリスク低減策は取られていますが、完全に回避することは難しいとされています。さらに、畜産物相場リスクも挙げられます。畜産物相場は需給関係によって変動し、生産コストに関わらず価格が下落する可能性があり、畜産事業者への債権回収の困難や、自社生産の畜産物販売価格の低下が売上高に影響を与えるリスクが懸念されます。 コスト面の課題としては、原材料コストの高騰が収益を圧迫する要因となっており、特に輸入穀物の価格高止まりが畜産事業における損失を引き起こしています。さらに、経営戦略として設備更新による固定費削減に取り組んでいますが、具体的な成果が見えにくい状況が続いています。 人材面の課題として、長時間労働が問題視されています。年間平均所定外労働時間が154時間と目標の100時間を大きく上回っており、従業員の負担が大きい可能性があります。また、有給休暇取得率が年間平均13日と目標の15日に達しておらず、従業員のワークライフバランスに課題があるとされています。人材育成に関しては、多様な人材を管理職に登用する方針があるものの、具体的な取り組みや成果については明確な記載がなく、実効性に課題が残る可能性があります。 その他の弱みとして、自己資本比率の低下が挙げられます。過去5年間で自己資本比率は64.2%から55.7%へと低下しており、財務の安定性に懸念が生じる可能性があります。また、減損損失が子会社の東和畜産株式会社で計上されており、事業ポートフォリオの見直しや資産効率の改善が求められる状況です。 これらの弱みを克服するためには、より効果的なリスクヘッジ戦略の策定、コスト削減努力、働き方改革を通じた従業員満足度の向上、人材育成の強化が必要となります。