強み

B-R サーティワン アイスクリーム株式会社の強みは、ブランド力の強化、デジタル化の推進、販売拠点の拡大にあります。 まず、顧客の需要に合わせたマーケティング戦略として、毎月新しいフレーバーを発売し、様々なコラボレーションを通じて商品ラインナップを強化しています。特に、日本上陸50周年を記念した「サーティワン BOX」や、テイクアウト需要に応える「フレッシュパック」などの新商品を投入しました。加えて、「キットカット」や「スプラトゥーン3」、「ポケモン」、「スーパーマリオ」、「ハリー・ポッター」といった人気キャラクターとのコラボレーションを実現し、話題性を提供しています。 店舗体験価値の向上にも注力しており、新店舗デザイン「F1（Flavor 1st）」や「MOMENTS」を導入し、店舗の全面改装を進めています。また、新ユニフォームの導入も行っており、顧客に新しい体験を提供しています。 デジタル化戦略としては、モバイルオーダーを推進し、予約受付も取り入れることで顧客の利便性を向上させました。全店のPOSシステムをリニューアルし、顧客とのコミュニケーションツールとして会員制アプリを活用しています。 販売拠点の拡大については、通常店舗だけでなく、行楽地や水族館、サービスエリアなどへの出店を積極的に行い、顧客の購入機会を増やしています。国内のポーションカップ販売等の拠点数は330ヶ所、海外店舗数は25店舗に達し、総販売拠点数は1,379ヶ所と拡大しています。 これらの取り組みの結果、売上高は過去最高の247億60百万円を記録し、国内総小売売上高も531億60百万円と過去最高を達成しました。既存店売上高も28ヶ月連続で増加し、月間最高小売売上高を12ヶ月中8ヶ月で更新するなど、業績も好調です。さらに、サプライヤーとの協力や工場での製造管理の最適化により、原価高騰の影響を抑制することにも成功しています。

弱み

B-R サーティワン アイスクリーム株式会社の弱みとして、製品の安全性に関するリスク、外部環境の変化への対応、コスト管理の課題などが挙げられます。 同社はフランチャイズビジネスを展開しており、自社工場で製造したアイスクリーム製品を全国の約1,300の販売拠点で販売しています。このビジネスモデルにおいて、予見不可能な原因により製品の安全性に疑義が生じ、製品回収や製造物責任賠償が発生した場合、業績に悪影響を与える可能性があります。これに対し、同社は工場でのQC活動や店舗でのサービス・オペレーション向上運動を強化していますが、リスクを完全に排除することは難しいといえます。 また、同社は外部環境の変化にも影響を受けます。原料費の高騰や円安の影響により売上原価が増加する可能性があります。同社はサプライヤーとの協働や工場での製造管理の最適化によりコスト増を抑制していますが、外部要因による影響を完全にコントロールすることはできません。 さらに、販売費及び一般管理費の増加も懸念材料です。広告宣伝費の増加や販売拠点拡大のための活動費、新規出店した直営店の管理費の増加は、将来的な売上増加につながる投資ではありますが、短期的な利益を圧迫する可能性があります。 同社は競争の激しい市場で事業を展開しており、他社との差別化が常に求められます。そのため、ブランド力の維持・向上、顧客ニーズに合わせた商品開発、効率的な店舗運営を継続的に行う必要があります。 加えて、人材育成も課題の一つです。研修制度の構築や人事評価制度の見直しを行っていますが、従業員の能力を最大限に引き出し、モチベーションを高く維持し続ける必要があります。特に、女性管理職の割合を増やし、多様な人材が活躍できる環境を整えることが重要です。 その他、店舗の老朽化や陳腐化も考慮すべき点です。新店舗デザインの導入や店舗改装を進めていますが、継続的な投資が必要となります。