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日本ハム
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企業分析
強み
日本ハムグループの強みは、多岐にわたる食品事業を国内外で展開していることです。国内では、ハム・ソーセージ、加工食品、乳製品などの製造・販売を担う加工事業本部、食肉の生産・販売を担う食肉事業本部があり、海外では、海外子会社を通じて同様の事業を行っています。これにより、幅広い顧客層への製品供給が可能となっています。また、長年にわたり培ってきた食品製造のノウハウと品質管理体制も強みです。製品の安全性を確保するため、食品検査や技術開発を積極的に行っており、グループ全体で品質向上に努めています。さらに、サプライチェーンの強化にも注力しており、重要な一次サプライヤーへの方針周知やSAQの実施を徹底しています。アニマルウェルフェアに配慮した取り組みも推進しており、国内全農場での妊娠ストール廃止や飲水設備の設置など、持続可能な畜産を目指しています。研究開発にも力を入れており、未利用・低利用の畜産資源を活用した健康食品や機能性素材の開発、代替肉の技術開発など、食の多様化に対応するための取り組みを継続的に行っています。また、スポーツ栄養分野にも進出しており、プロスポーツチームへの栄養指導を通じて「食と健康」への貢献も行っています。さらに、株主優待制度を設けており、株主との良好な関係を築いている点も強みとして挙げられます。
弱み
日本ハムグループの弱みとしては、まず、事業環境の変化に対する脆弱性が挙げられます。世界的な人口増加、気候変動、地政学的リスクなどにより、原燃料や飼料価格の高騰、円安の進行、人件費の高騰といった課題に直面しており、これらの要因が収益性に悪影響を与える可能性があります。特に、飼料価格の上昇や不安定化は、畜産コストの増加につながり、経営に大きな影響を与える可能性があります。また、炭素税導入によるエネルギー費用の高まりも、生産コストを押し上げるリスク要因です。人権問題への対応も課題であり、労働災害、ハラスメント、長時間労働といったリスクを重点的に管理する必要があり、サプライチェーン全体での人権デュー・デリジェンスが求められます。事業活動に伴う環境負荷も課題であり、未利用・低利用の畜産資源の高度利用に向けた研究開発を継続する必要があるものの、環境に配慮した消費動向が強まる中で、更なる取り組みが必要です。特定の取引先への依存度が高いこともリスク要因となり得ます。主要な取引先との関係維持を強化する目的で株式を保有していますが、その取引先の業績が悪化した場合、自社の業績にも影響を与える可能性があります。