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福留ハム
福留ハム オルタナティブデータ
福留ハム 株主総会議案データ
福留ハムについて
強み
福留ハムの強みは、「お客様第一」の経営理念に基づき、「安心・安全・美味しさ・お役立ち」を追求する姿勢にあります。特に、ハム・ソーセージなどの加工食品分野において、高付加価値製品を提供し、顧客ニーズに応えることで社会に貢献することを目指しています。 強みとして挙げられる点は、まず商品競争力の強化です。既存商品の価格改定や、交雑牛、内臓系希少部位の販売の伸長などにより、売上高が増加しています。また、ウインナー群の大袋商品が業務筋や外食関連で堅調に推移しており、販路の見直しや業務筋への販路拡大が進んでいます。 次に、食肉事業における強みがあります。国産牛肉における交雑牛、内臓系希少部位の販売が伸び、輸入牛肉では業務筋向けのオーストラリア産冷凍牛肉の販売が堅調です。また、国産ブランド豚の販売強化や、輸入豚肉の業務筋向け冷凍商材の販売強化と販路拡大により、食肉事業全体の売上高が増加しています。 さらに、品質保証体制の強化も重要な強みです。「安全・安心」をモットーに商品づくりに取り組み、外部認証(ISO、HACCP)の取得や、トレーサビリティシステム、フードディフェンスの強化など、品質保証部門による厳格な体制を構築しています。 人材育成にも力を入れています。研修制度では、社員一人ひとりの人間性を重視した内容の研修や勉強会を行い、キャリアアップを支援しています。また、多様な人材が活躍できる職場環境を整え、ワークライフバランスの実現や生産性向上を目指しています。 リスク管理体制にも注力しており、FRA(福留ハム・リスクマネジメント・アクション)委員会を設置し、感染症対策や事故対策、災害対策などに対応しています。マニュアルを策定し、未然防止対策や危機管理体制の整備を進めています。 これらの強みを活かし、市場ニーズに合わせた商品やサービスを提供し、オリジナルブランドを中心とした商品の拡大を目指しています。また、新しい国内外の仕入産地の開発や原材料の調達ルートの分散化にも取り組んでいます。
弱み
福留ハムの弱みとして、まず収益性の低さが挙げられます。過去数年間、経常損失や当期純損失を計上しており、自己資本利益率も低い水準で推移しています。これは、原材料価格の高騰、エネルギーコストの上昇、物流コストの増加といった外部環境の変化に加えて、競争激化による価格競争や人手不足による労働コストの上昇などの内部要因も影響していると考えられます。 具体的には、損益構造において売上原価が上昇しており、販管費の削減努力は続けられていますが、依然として利益を圧迫しています。営業損失も継続して発生しており、収益構造の改善が急務です。 また、外部環境への依存も弱点の一つです。急激な円安進行や国際情勢の不安定化、原材料価格の高騰などにより業績が左右されやすい状況にあります。特に、原材料の調達ルートの分散化や代替原材料の検討を進めているものの、これらの外部要因による影響を完全に回避することは難しいと考えられます。 さらに、減損会計のリスクも懸念されています。事業所開設時に取得した土地や建物などの固定資産について、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合には減損損失を計上する必要があり、業績に悪影響を与える可能性があります。 退職給付債務のリスクも挙げられます。金利環境の変化や年金数理上の仮定の変更により、退職給付費用や債務に影響が出る可能性があり、これも業績を圧迫する要因となり得ます。 また、自然災害等のリスクも存在します。地震や台風などの自然災害により、生産・物流拠点が損害を受ける可能性があり、事業活動に影響を与えるリスクがあります。リスク分散のために岡山昴工場を新設しましたが、依然としてリスクは残っています。 加えて、感染症のリスクも無視できません。新型コロナウイルス感染症が5類に移行したものの、未確認の変異株発生などにより、事業活動に影響が出る可能性が残っています。 これらの弱みを克服するために、商品の競争力強化、営業力の強化による販路拡大、業務の見直しによる収益構造改革に取り組んでいますが、これらの施策の効果を最大化し、収益性の向上を実現することが課題となっています。また、リスク管理体制を強化し、外部環境の変化に左右されにくい経営基盤を確立することも重要です。