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システナ
システナ オルタナティブデータ
システナ 株主総会議案データ
システナについて
強み
システナの強みは、多岐にわたる事業領域とそれを支える技術力にあります。ソリューションデザイン事業では、車載、社会インフラ、ネットビジネス、プロダクト、DXサービスといった広範な分野で開発を行い、特に車載分野ではモビリティソフトウェアの需要増加に対応し、国内完成車メーカーやTier1サプライヤーからの受注拡大を実現しています。また、モバイル領域で培ったソフトウェア開発技術を活かし、社会インフラ分野では電力、交通、防災、衛星、防衛などのシステムのリプレースやDX化にも対応しています。 ITサービス事業では、システム開発から保守・運用まで一貫したサービスを提供し、ビジネスソリューション事業では、サブスクリプションビジネスやシステム開発とサポート業務を中心としたストック型ビジネスの強化に注力しています。クラウド事業では、自社サービス「Canbus.」や「Cloudstep」の機能拡張を行い、企業のDX推進を支援する「DXデザインラボ」を提供しています。 また、システナは海外事業にも注力しており、モバイル通信関連の技術支援、開発・検証支援、各種ソリューションの提供、最新技術やサービスの動向調査と事業化を進めています。 人材育成においては、独自のキャリアパスや研修制度、資格取得支援制度を設けており、ダイバーシティ推進にも力を入れています。性別、年齢、人種、国籍に関わらず、全ての従業員に平等な機会を提供し、実力に応じた処遇と適材適所を進めています。さらに、「健康経営優良法人(大規模事業場)ホワイト500」の認証や「えるぼし」認定の三ツ星も取得しており、従業員の健康と活躍を支援する環境を提供しています。 これに加えて、システナは情報セキュリティ体制も強化しており、情報セキュリティマネジメントの国際規格であるISO27001の認証を取得し、運用管理の徹底を図っています。 これらの強みが、システナの持続的な成長を支える基盤となっています。
弱み
システナの弱みとして、まず不採算プロジェクトの影響が挙げられます。2024年3月期のソリューションデザイン事業では、初期に発生した不採算プロジェクトが第2四半期に収束したものの、その影響で売上高と営業利益が減少しました。さらに、機会損失やリソースの対応への割り当てが、業績に悪影響を与えました。また、要員配属の遅れもこの事業の業績に影響を及ぼしています。 次に、情報漏洩のリスクがあります。システナは情報セキュリティマネジメントの国際規格であるISO27001の認証を取得しており、情報管理を徹底していますが、万が一情報漏洩が発生すれば、損害賠償や信用低下に伴う受注減少など、事業への影響が大きくなる可能性があります。 また、法的規制も事業運営における制約要因となります。下請代金支払遅延等防止法や労働者派遣法など、同社グループの事業を取り巻く法的規制を遵守する必要があり、規制に違反すれば、事業に悪影響を与える可能性があります。 さらに、人材育成や社内環境整備については、同社が独自の研修制度や自己啓発支援制度を設けていますが、従業員数の増加に伴い、これらの制度が十分に機能していない可能性があります。2024年3月期には従業員数が407名増加しており、事業拡大に伴う採用増加により、人材育成と社内環境整備が追いついていない可能性が指摘されています。 業績面では、収益性の改善が課題です。2024年3月期の連結業績において、売上高は増加したものの、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は減少しており、収益性の改善が求められています。また、株主資本利益率(ROE)も低下しており、資本効率の改善が急務となっています。