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日鉄ソリューションズ
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企業分析
強み
日鉄ソリューションズの強みとして、まず多様な人材が活躍できる環境を創出している点が挙げられます。同社は、新卒採用とキャリア採用を積極的に行い、高度IT人材の育成を強化しています。また、従業員の能力開発を重視し、自律的な成長を支援しています。さらに、内部統制システムを構築し、リスクマネジメントを徹底することで、事業の安定性を高めています。技術面では、デジタルワークプレースソリューション、クラウド、オラクルビジネスなどが好調であり、高い技術力と専門性を有しています。顧客との長期的な関係を重視し、顧客のニーズに合わせたソリューションを提供することで、信頼を得ています。また、同社は株主還元にも積極的であり、配当性向を50%目安に変更するなど、株主価値の向上にも取り組んでいます。加えて、企業のサステナビリティを重視し、環境問題や社会貢献活動にも取り組んでおり、ESG投資の観点からも評価されています。労働組合との関係も良好であり、従業員の労働条件の維持・発展に努めていることも強みです。
弱み
日鉄ソリューションズの弱みとしては、プロジェクトにおける原価見積もりの難しさが挙げられます。特に受託開発案件では、顧客の要求に基づき契約仕様や作業内容が定められるため、個別性が強く、システムへの要求も高度化・複雑化しています。そのため、契約当初に予見できなかったプロジェクト進捗の阻害要因が発生した場合、追加の工数を見積もり、総原価の見直しが必要となることがあります。この原価見積もりの不確実性は、受注損失引当金の計上につながるリスクがあります。また、男女間の賃金差異があり、これは男女それぞれの社員数に占める職務層区分の構成比が異なることによって発生しています。管理職に占める女性労働者の割合も6.5%と低く、ダイバーシティの面で改善の余地があります。さらに、親会社との取引において、価格等の取引条件が親会社の意向に左右される可能性があるという点も弱みとして挙げられます。海外展開においては、中国の子会社を除くと、特筆すべき記述はなく、グローバルな事業展開において、さらなる成長の余地があると考えられます。