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ウェッジホールディングス
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企業分析
強み
ウェッジホールディングスの強みは、コンテンツ事業における独自性と長年の経験です。同社は、ゲーム企画開発、書籍編集、その他コンテンツ関連企画開発などの分野で独自性を持ち、長年の不振を払拭し、事業の選択と集中を進めてきました。また、海外事業を含む新規事業にも積極的に取り組み、営業拡大を図ると同時に、生産性の改善とコストの適正化を進めてきました。その結果、コンテンツ事業の利益は長期的に改善しており、特にロイヤリティ収入が過去最高を記録するなど、収益性が向上しています。近年では、ベトナムやインドネシアなどの海外市場においても売上を伸ばしており、グローバル展開のポテンシャルも有しています。さらに、中期経営計画に基づいた戦略的なコンテンツ獲得と固定費削減により、収益性の高い体質を実現している点も強みです。人材育成においては、多様な視点や価値観を尊重し、経験やキャリアの異なる人材を積極的に採用しており、女性や外国人の管理職登用も積極的に進めています。
弱み
ウェッジホールディングスの弱みとしては、業績の変動性の高さと収益基盤の不安定さが挙げられます。2024年9月期の連結業績では、売上高は増加したものの、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、特に持分法による投資損失が大きな要因となっています。また、キャッシュフローも営業活動において使用しており、現金及び現金同等物の残高も減少しています。財務面では、純資産の減少や自己資本利益率の低さも課題です。リスク管理体制については、各事業責任者がリスク機会を認識し、取締役会で報告する体制を構築していますが、事業規模が大きくないため、外部環境の変化や事業戦略の失敗が業績に大きく影響する可能性があります。また、M&Aなどの投資活動には慎重な姿勢を示しており、積極的な事業拡大が抑制されている側面もあります。さらに、繰越欠損金に係る評価性引当金も多額に計上されており、税務上の課題も抱えていることが伺えます。