強み

ヒビノ株式会社の強みは、多岐にわたる事業領域と、それらによるシナジー効果です。音響・映像に関する専門性の高い技術とノウハウを基盤に、販売施工、建築音響、コンサート・イベントサービスといった複数の事業を展開することで、外部環境の変化に強い事業構造を構築しています。また、これらの事業間連携によって、更なる相乗効果を生み出すことを目指しています。 同社グループは、大規模なプロジェクトの遂行能力にも強みを持っています。コンサート・イベント市場の復活・拡大や、顧客の設備投資意欲の回復、都市再開発計画の進展などを背景に、大型案件が増加しており、これらのプロジェクトを通じて、実力を発揮できる機会を提供しています。特に、首都圏の新設音楽アリーナ、ホール、大学施設、再開発ビル、放送局などの大型案件において実績があります。 さらに、グローバルな事業展開も同社の強みの一つです。日本国内だけでなく、アジア、北米、欧州の4極で事業を展開しており、海外売上高比率を30％にまで引き上げることを目標に、海外市場の開拓を進めています。これにより、日本国内の景気変動リスクを最小限に抑えることを目指しています。 また、人材育成にも注力しており、専門性と変化への対応力を持つ人材育成を重視しています。従業員のリスキルを促すための研修制度や自己啓発支援制度などを戦略的に提供し、従業員の働きがいを高めています。

弱み

ヒビノ株式会社の弱みとして、景気変動の影響を受けやすい事業構造が挙げられます。同社グループの一部の事業は、企業の販売促進活動やイベント開催数に左右されるため、景況感の悪化や企業の設備投資の抑制が進んだ場合、業績に影響を受ける可能性があります。また、政府や地方自治体の方針による公共投資の削減も、プロジェクトの中止や延期につながる可能性があります。 海外メーカーへの依存度が高いことも弱みの一つです。音響・映像機器などの多くを海外メーカーから仕入れているため、メーカーの都合による商品供給の遅延や、メーカーの経営方針の転換など、サプライチェーンリスクに晒されています。また、為替変動の影響も受けやすく、為替変動を吸収できない場合は、売価への反映が必要となるため、価格競争力の低下を招く可能性もあります. また、人材面での課題も存在します。管理職に占める女性労働者の割合が9.9%と低く、多様な人材が活躍できる環境づくりが求められています。 さらに、M&A戦略におけるリスクも考慮する必要があります。M&Aを活用して新領域に挑戦する一方で、買収した企業の統合プロセスやシナジー創出がうまく進まない場合、事業成長の足かせとなる可能性も存在します。