強み

不二製油グループの強みは、長年にわたり培ってきたコア技術と研究開発力にある。特に油脂、チョコレート関連の特許において、重要特許シェア率は国内トップレベルであり、新規発明者数も国内外の競合と比較して上位に位置している。研究開発では、「安全、品質、環境」にこだわり、顧客の要望に応える新しいおいしさの創造に貢献している。また、植物性油脂、業務用チョコレート、乳化・発酵素材、大豆加工素材という多岐にわたる事業ポートフォリオを有しており、それぞれの事業で専門性を発揮している。さらに、グローバルな事業展開も強みであり、世界各地に製造・販売拠点を持ち、多様な市場ニーズに対応できる。各地域での事業活動を通じて得た知見を相互に活用し、グループ全体の成長につなげている。サステナビリティへの取り組みも重視しており、ESGマテリアリティの特定や目標設定を行い、事業戦略と連動させている。

弱み

不二製油グループの弱みとしては、原材料価格の変動に業績が左右されやすい点が挙げられる。特に植物性油脂事業では、主原料であるパーム油などの価格変動が販売価格に影響し、売上高の減少につながる可能性がある。また、過去の業績を見ると、当期純利益が大きく変動しており、安定した収益確保が課題となっている。さらに、海外事業においては、地域ごとの経済状況や市場の変動によって業績が左右されるリスクがある。例えば、東南アジアでの販売が好調だった反動で、業績が一時的に減少するなどの影響が見られる。また、従業員の男女比率については、生産職以外では新卒採用における男女比率の目標を１：１としているものの、管理職における男女比率はまだ偏りがある。