強み

キユーピーグループの強みは、長年にわたり培ってきたブランド力と商品開発力にあります。1925年に国産初のマヨネーズを発売して以来、ドレッシングなどのサラダ調味料市場を育成・拡大し、トップメーカーとして高いブランドシェアを維持しています。また、ジャムやパスタソース、育児食、ヘルスフードなど、幅広い食品分野に進出しており、1998年には医療介護分野にユニバーサルデザインフード（介護食）を投入するなど、常に食品業界のパイオニアとして、多様な食場面に対応した高品位な商品開発を行っています。海外展開も積極的に行っており、中国・東南アジア・北米を中心に事業を拡大しています。また、デジタルマーケティングの活用により、ブランド認知率と商品使用率の向上にも取り組んでいます。さらに、市場担当制への移行を通じて、顧客視点に立った商品やサービスの提案を迅速に行う体制を構築しています。加えて、同社グループは、「おいしさ・やさしさ・ユニークさ」をもって、世界の食と健康に貢献することをめざし、品質第一主義を貫き、こだわりある商品とサービスを提供することで、顧客からの信頼を得ています。

弱み

キユーピーグループの弱みとしては、原材料価格の変動リスクが挙げられます。特に、気候変動による農作物の収量減少や、熱ストレスによる原材料調達コストの増加は、同社グループの収益に影響を与える可能性があります。また、鳥インフルエンザによる卵価高騰や鶏卵不足も、タマゴ製品の製造・販売に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、海外事業の拡大に伴い、為替変動リスクや、各国の法規制や政治情勢の変化によるリスクも考慮する必要があります。国内市場においては、市場担当制への移行がまだ新しい取り組みであり、顧客視点での提案をどれだけスピーディーに実現できるか、まだ不確実な面があります。また、事業活動においては、リスク管理体制の強化や内部統制システムの運用状況を継続的に監視し、改善していく必要があります。さらに、固定資産の減損処理、貸倒引当金の計上基準、投資有価証券の減損処理など、会計上の見積りや判断が実際の状況と乖離するリスクも存在します。