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カゴメ
カゴメ オルタナティブデータ
カゴメについて
強み
カゴメの強みは、農産物の調達から製品の製造・販売までを一貫して行うバリューチェーンの構築にあります。具体的には、種子開発から農業生産、商品開発、加工、販売までを自社グループで展開する垂直統合型ビジネスを国際事業として進めています。国内では、飲料や調味料の製造・販売を行う国内加工食品事業と、トマトを中心とした生鮮野菜の生産・販売を行う国内農事業を主軸としています。 「畑は第一の工場」という考えのもと、カゴメは野菜の種子や土づくりから取り組み、安全で高品質な原材料を生産しています。また、約7,500種のトマトの種子を保管し、品種開発を行い、グローバル・アグリ・リサーチ&ビジネスセンターを新設して、新品種の開発や栽培技術の向上を進めています。 さらに、カゴメは多様な販売チャネルを有し、特にDtoC(Direct to Consumer)においては卸や小売店を経由せずに商品を直接消費者へ届けています。1,000を超える商品を取り扱い、常温、冷蔵、冷凍など、複数の温度帯に対応した物流体制を構築しています。 また、従業員の健康を重視し、健康経営の強化を重点課題として、ベジチェック®を活用したプログラムで従業員の健康をサポートしており、健康経営優良法人2023(大規模法人部門 ホワイト500)に選定されています。加えて、「心理的安全性」が保たれた組織風土づくりにも注力しています。 カゴメは、「自然を、おいしく、楽しく。KAGOME」というブランドステートメントを掲げ、その事業活動は、持続可能な地球環境への貢献を目指しています。
弱み
カゴメの弱みとして、まず原材料の調達リスクが挙げられます。気候変動の影響により、熱波や干ばつが頻発し、農業生産に大きな影響を与えています。特に、カゴメの主な原材料であるトマトやにんじん、リンゴなどは収穫量や品質に影響を受けており、安定的な農産原料の調達が難しくなっています。また、国内事業に使用する農産原料の90%以上を海外から調達しているため、様々な変動要素に対応し、安定した調達を続けることが重要となっています。 次に、サプライチェーンの複雑さも課題です。カゴメは、世界中に調達拠点を持ち、海外から原材料を輸送して国内工場で生産、その後、物流倉庫、卸先、小売店を経て顧客に商品を届けています。この長大なサプライチェーンの管理は特徴である一方、広範囲にわたる物流管理の負担を伴います。さらに、1,000を超える商品を取り扱い、常温、冷蔵、冷凍と異なる温度帯に対応した物流体制を整えているため、物流コストの増加が懸念されています。 カゴメの強みである垂直統合型ビジネスは、逆にリスク要因にもなり得ます。自社で種子開発から販売までを手掛ける体制は、気候変動などの影響を受けやすく、一部の工程で問題が生じると、全体のサプライチェーンに波及する可能性があります。 また、国内事業での農産原料の海外依存度が高いため、為替変動の影響も受けやすい状況です。外貨建て棚卸資産の仕入れが為替相場の変動リスクにさらされており、ヘッジ会計を適用していますが、為替変動リスクは常に存在します。 さらに、組織の硬直性も課題です。山口社長の就任以来、心理的安全性を確保しフラットな意見交換ができる組織への改革に取り組んでいるものの、硬直的な縦割り組織や上下関係の改善が必要です。組織風土の変革は今後も重要な課題となるでしょう。 これらの弱みを克服するため、カゴメはサプライチェーン全体のシステム刷新、グローバルな技術開発、人材育成、組織風土改革を進める必要があります。