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焼津水産化学工業


業種:
調味料
従業員数パッケージプラン
月額: 4,400

Metrics

従業員数

データ粒度:month

従業員数(子会社を含む)


企業分析

強み

焼津水産化学工業株式会社の強みは、天然素材へのこだわりと、それに基づく多角的な事業展開にあります。同社は、「天然素材の持つ無限の可能性を追求し、“おいしさと健康”を通して、豊かな生活に貢献します」という企業理念を掲げ、調味料、機能食品、水産物の各事業において、独自の技術とノウハウを活かした製品開発を行っています。 調味料事業では、鰹節類などの粉末調味料や液体調味料において長年の実績があり、特に昆布やエビなどの市場伸長率の高い調味料の販売強化に注力しています。また、東京R&Dラボを設置し、顧客の依頼開発やオリジナル品の開発をスピーディーに行い、「中食分野」への展開を進めている点も強みです。 機能食品事業では、アンセリンやフコースなどの独自性の高い機能性素材を開発し、産学連携によるオープンイノベーションを推進しています。特に、フコースは世界で初めて同社が量産化に成功した機能性食品素材であり、臨床試験で効果が確認され、機能性表示食品としても展開されています。さらに、N-アセチルグルコサミンやアンセリンについても、機能性表示食品制度のテクニカルサポートを強化し、多くの届出が受理されています。 水産物事業では、主に冷凍マグロの原料販売と加工製品の製造販売を行っており、韓国、台湾、香港向け海外販売が順調に推移しています。 さらに、同社は新たな事業分野の創出にも積極的に取り組んでおり、フードテック特化型ファンドへの出資や、化粧品、農業分野への製品開発・応用研究も行っています。また、「価値創造の加速」を経営ビジョンとし、3ヵ年の中期経営計画に基づき、安全・安心の向上、国内事業の強化、海外展開の加速、新たな事業分野の創出を基本戦略としています。 これらの事業展開を支える基盤として、静岡県内に複数の生産拠点を持ち、品質管理や災害対策にも力を入れている点が挙げられます。また、人材育成にも注力し、研修制度の充実や多様性のある働き方の実現を目指しており、企業の持続的な成長を支える重要な要素となっています。 加えて、自己資本比率が高く(89.8%)、財務基盤が安定していることも強みの一つです。株主還元策として、自己株式の取得や消却も実施しており、株主への利益還元にも積極的です。

弱み

焼津水産化学工業株式会社の事業における弱みとして、いくつかの点が挙げられます。まず、国内市場の成長が少子高齢化の影響で期待できないこと、そして、原材料価格やエネルギー価格の高騰が経営を圧迫している点が挙げられます。これらの価格高騰は、製品の販売価格への転嫁が追い付かず、企業業績に悪影響を及ぼしています。 また、特定の取引先への依存度が高いこともリスク要因です。主要な販売先やOEM加工元の意向の変化は、同社の経営成績に影響を与える可能性があります。さらに、自然災害のリスクも無視できません。静岡県中部・西部地区に生産拠点が集中しているため、巨大地震や津波などの災害が発生した場合、操業中断や多額の復旧費用が発生し、経営に大きな影響を与える可能性があります。 人材面では、優秀な人材の確保と育成が課題となっています。雇用情勢の変動により、計画通りに人材を確保・育成できなかったり、人材が流出した場合には、事業展開に支障をきたす可能性があります。 加えて、顧客ニーズの変化に開発スピードが追い付かないことも弱みです。消費者のニーズが多様化し、変化のスピードも速いため、ニーズと製品のずれが生じると、販売見込みを下回る可能性があります。 その他、情報セキュリティの機能不全や工場における事故の発生もリスクとして認識されています。これらの問題が発生した場合、生産活動の停止や顧客からの損害賠償請求につながる可能性があり、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。