強み

エバラ食品グループの強みは、長期ビジョン「おいしさ、たのしさ、あたらしさで食カテゴリーを創造する企業」に基づき、独自性のある商品やサービスを提供し、人々の食生活に貢献することを目指している点です。 事業面では、食品事業の収益強化と、将来の成長を担う戦略事業の基盤確立を両立させています。国内市場のみならず、海外市場での新たな需要開拓にも注力しており、特に家庭用商品の鍋物調味料群や業務用商品の外食・中食市場向け商品が売上を伸ばしています。多様化する顧客ニーズに対応した商品開発力と技術力が強みとなっています。また、丸二株式会社を子会社化することで、粉末調味料の製造技術や小容量商品の生産能力を強化しました。 研究開発体制が充実しており、研究所、テクニカルセンター、商品開発部が連携して味作りや新技術の開発、商品・原材料の化学分析に取り組んでいます。定期的にマーケティング戦略委員会を開催し、新商品開発やリニューアル計画を策定しています。 サプライチェーンの安定化にも力を入れており、複数の企業からの購買や計画的な購買によって原材料の安定調達を実現しています。環境面では、省エネルギーや省資源、リサイクルを推進し、2030年度までにCO2排出量や食品ロス量の削減を目指す環境目標を設定しています。 また、人材育成にも注力し、「自律型人材」の育成を目指して、主体的に学び行動できる人材を育てています。コンプライアンス体制も強化し、人権や多様性を尊重した健全な職場環境の確保に努めています。

弱み

エバラ食品グループの事業における弱みとして、原材料価格の変動や調達に関するリスクが挙げられます。気候変動、季節的変動、国際的な需給動向、為替変動、地政学的要因、エネルギーコスト、感染症の拡大などが原材料の価格に影響を与え、調達が困難になる可能性があります。特に農畜産物は天候による収穫量の変動や海外需要の増大に敏感であり、原油価格の変動は包装材料、光熱費、運送費に影響を与えるため、これらの要因によって急激な価格上昇や供給不足が生じると、経営成績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 物流事業では、幹線輸送の需要減少や倉庫保管取引における大口契約の終了が減収の要因となり得ます。 人材の確保と育成も課題となっており、次世代を担う多様な人材の育成・登用が重要ですが、具体的な取り組みや目標の見直しが必要です。自律型人材の育成を目指しているものの、その効果を測定し、改善していく段階にあります。 さらに、保有資産の減損リスクも存在し、機械設備、土地、投資有価証券などの資産が時価の下落や収益性の低下により減損会計の適用を受ける可能性があります。これにより、経営成績や財政状態に影響を与えることが考えられます。 海外事業の展開では、新規顧客獲得が進んでいますが、市場環境や競争状況の変化に柔軟に対応する必要があります。為替変動も売上高に影響を与えるため、為替リスクへの対応が重要です。 これらの弱みを克服し、持続的な成長を遂げるためには、リスク管理体制の強化、サプライチェーンの多角化、人材育成プログラムの拡充、海外市場での競争力強化などの継続的な取り組みが求められます。