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はごろもフーズ
はごろもフーズ オルタナティブデータ
はごろもフーズ 株主総会議案データ
はごろもフーズについて
強み
はごろもフーズの強みは、既存事業で培った強みを活かした新たな事業の構築にあります。同社は、「シーチキン」を始めとする長期保存が可能な加工食品において、顧客からの高い期待に応える役割を担っています。また、多品種の製品を安定的に生産し市場に供給するため、国内外約70か所の協力工場に製品の製造を委託している点が特徴的です。 財務面では、自己資本比率が59.2%と高く、株主総利回りも134.1%と、TOPIXを上回る実績を上げています。また、株主への利益還元を重視し、安定した配当を継続する方針を掲げています。 事業戦略としては、原材料等の調達先の多様化を進め、安全・安心な製品の安定的な供給を可能にする生産体制の構築に努めています。また、環境問題への積極的な取り組みや、リスクマネジメント、BCPへの積極的な取り組みを推進しています。 さらに、多様な人材が活躍できる職場づくりを重視し、労働環境の多様化に合わせた人事制度の導入や、人材の開発育成制度の導入、働きがいを実感できる職場環境の改善に取り組んでいます。 これらの要素が組み合わさることで、はごろもフーズは、食品業界における競争力を維持し、持続的な成長を目指していると言えます。
弱み
はごろもフーズの弱みとして、まず、原材料の多くを海外からの輸入に依存している点が挙げられます。これにより、調達国の感染状況による工場の稼働停止や海上輸送の停滞・遅延が供給体制に影響を与える可能性があります。また、地政学的リスクや為替相場の変動も、原材料価格の高騰を招く要因となり、収益性の悪化につながる可能性があります。 さらに、食品業界全体として、製品の価格改定による消費者の生活防衛意識の高まりや、高付加価値商品と値ごろ感のある商品への消費の二極化といった厳しい経営環境に直面しています。このような状況下では、既存の製品だけでなく、新たな事業の構築も求められますが、これには相応の投資が必要となり、減価償却費の増加が見込まれます。 生産設備への投資も課題となります。同社は生産設備の更新を計画的に実施していますが、設備の更新時期が短期間に集中しないように配慮する必要があります。人材不足も懸念され、各分野における人材不足がより顕著になることで、人件費や物流費の上昇につながる可能性があります。 財務面では、有形固定資産の比率が他の食品製造業者と比較して低いことが指摘されています。これは、国内外の協力工場への製造委託に依存しているためで、自社での生産能力が低いことは、外部環境の変化に対応する柔軟性を損なう可能性も示唆しています。 加えて、繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積もりに依存するため、見積もりの前提条件や仮定に変更が生じた場合、税金費用が計上されるリスクがあります。同様に、固定資産の減損処理についても、事業計画や市場環境の変化により、将来キャッシュフローや回収可能価額の見積額が減少した場合、減損損失を計上する可能性があります。 これらの点を総合的に見ると、はごろもフーズは外部環境の変化や市場の動向に左右されやすい側面があり、内部体制の強化やリスク管理の徹底が求められると言えます。