強み

株式会社デルソーレの強みは、食品事業と外食事業の2つの事業セグメントを持ち、多角的な展開をしている点です。食品事業では、業務用分野で安定した収益を上げつつ、一般家庭用分野でも市場開拓を進めています。特に、主力である外食・中食市場での積極的な市場開拓と、チルド品に加えて冷凍品のラインナップを強化しています。外食事業では、テイクアウトブランド「おめで鯛焼き本舗」を成長ドライバーと位置づけ、直営店とフランチャイズ展開を拡大し、安定した収益確保を目指しています。また、既存店の質向上にも取り組み、コロナ禍で培った筋肉質なコスト構造を定着させています。さらに、海外パートナー企業との連携による、海外市場への展開も強みの一つです。同社は、徹底した与信管理により債権保全に努めており、安定的な物流体制も構築しています。また、「食の安全・安心」 を第一に掲げている点も、顧客からの信頼を得る上で重要な強みと言えるでしょう。加えて、株主総利回りがTOPIXを上回る水準であることも強みとして挙げられます。

弱み

株式会社デルソーレの弱みとして、まず挙げられるのは、外部環境の変化に業績が左右されやすいという点です。具体的には、原材料価格の変動、特にチーズや小麦粉などの輸入に依存しているため、地政学リスクや気候変動による価格変動の影響を受けやすいです。また、為替変動も外貨建て契約に影響を与え、業績に変動をもたらす可能性があります。物流コストの上昇も、人手不足や法令対応などの影響で、経営を圧迫する要因となっています。さらに、食品・外食業界全体の厳しい経営環境も、同社の弱みと言えます。節約志向の消費マインドが根強く、人件費などのコスト上昇も収益を圧迫しています。人材確保の面でも課題があり、雇用環境の多様化や採用競争の激化により、必要な人材を計画通りに確保できない可能性があります。また、自然災害や感染症の蔓延も、生産や営業活動に支障をきたすリスクとして挙げられます。加えて、既存店舗の中には収益性の低い店舗も存在し、不採算店舗の閉店を進める一方で、新規出店をテイクアウト業態に集中させるなど、事業ポートフォリオの再設計も課題となっています。