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ファーマフーズ
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企業分析
強み
株式会社ファーマフーズの強みは、独自の機能性素材開発力と、それを活かした多角的な事業展開力にあります。同社は、GABAの生産技術の確立や、卵殻・卵殻膜、青バナナ、ワイン澱、ゴマといった未利用資源からの素材開発に強みを持っています。これらの素材を基に、サプリメントや医薬部外品、化粧品など、多様な製品を自社ブランドで展開しています。特に、通信販売事業では「タマゴ基地」ブランドが知られており、自社コールセンターの開設や、顧客獲得効率・収益性指標を重視した広告戦略も展開しています。また、研究開発力を背景に、大学とのアライアンスを積極的に進め、医薬品の発展にも貢献しようとしています。さらに、M&Aを積極的に活用し、事業領域の拡大を図っており、明治薬品㈱の子会社化や、アンテグラル㈱のバイオサイエンス事業の吸収分割などがその例です。近年では、卵殻膜素材の多分野への応用を推進し、繊維、農業、電子材料分野での新市場創造に取り組んでおり、その技術力は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構のプロジェクトに採択されるなど、外部機関からの評価も得ています。
弱み
株式会社ファーマフーズの弱みとしては、まず、BtoC事業における売上高の減少が挙げられます。特に、サプリメントや化粧品の売上高は前期比で大幅に減少しており、これは広告宣伝費の抑制が影響していると考えられます。また、定期顧客件数も減少しており、顧客の維持・獲得において課題があることが示唆されます。加えて、自己資本比率の変動も懸念材料です。自己資本比率は、過去には大きく変動しており、2022年には22.7%まで低下しています。その後、回復傾向にあるものの、今後の事業展開によっては財務基盤が不安定になるリスクも考えられます。さらに、M&Aによる事業拡大戦略は、期待した効果が得られない場合、のれんや無形資産の減損処理による損失計上のリスクを伴います。関連会社についても、収益が想定通りに計上できない場合、減損処理が必要となり、経営成績に影響を与える可能性があります。また、法規制の影響も大きく、医薬品や化粧品事業において、規制変更や許可取消しなどが事業活動に重大な影響を与える可能性があります。