3341
オルタナティブデータ
株主総会議案データ
について
強み
日本調剤グループの強みは、調剤薬局事業、医薬品製造販売事業、医療従事者派遣・紹介事業の3つの事業を柱としており、それぞれの事業間でシナジーを最大限に発揮できる点にあります。調剤薬局事業では、「門前薬局」や「ハイブリッド型薬局」を全国に展開し、地域医療への貢献をしています。また、ジェネリック医薬品の開発・製造・販売を自社で行い、医薬品の安定供給と品質管理を徹底しています。さらに、医療従事者派遣・紹介事業を通じて、医療現場の人材不足に対応し、グループ全体で医療サービスの質向上を図っています。 グループ理念として「すべての人の『生きる』に向き合う」を掲げ、患者一人ひとりのニーズに応じた質の高い医療サービスの提供を目指しています。2030年には「誰もが一番に相談したくなるヘルスケアグループ」を目指しています。 また、薬剤師の専門性向上を支援する「薬剤師ステージ制度」や職種別・階層別の研修制度を整備し、人材育成にも力を入れている点が強みです。さらに、女性管理職比率の向上や従業員のエンゲージメント向上に取り組み、多様な人材が活躍できる職場環境の構築を進めています。 医療DXへの積極的な取り組みもあり、オンライン服薬指導や電子お薬手帳の活用を通じて、患者の利便性向上を目指しています。 リスク管理体制も整備されており、事業継続計画(BCP)の策定やサプライチェーンの分散化により、災害や感染症などの緊急時にも事業を継続できる体制を確立しています。
弱み
日本調剤グループの弱みとして、まずM&Aを通じて取得したのれんや固定資産、または出店によって取得した固定資産の減損リスクがあります。対象店舗の業績が悪化した場合、これらの資産の回収可能性が低下し、減損損失を計上する必要が生じることがあり、グループ全体の業績に悪影響を与える可能性があります。 さらに、医療制度改革や社会ニーズの変化に対応するために、デジタルトランスフォーメーション(DX)領域への投資が拡大していますが、戦略と社会ニーズにズレが生じた場合、追加投資が必要になったり、投資の回収可能性が低下するリスクも抱えています。 調剤業務における過誤のリスクも懸念されています。多くの対策が講じられているものの、調剤過誤が発生した場合、賠償金の支払いや、顧客および社会からの信用低下を招き、業績に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。同様に、医薬品製造販売事業では、ジェネリック医薬品に品質上の重大な問題が発生したり、予期せぬ副作用が重篤なものとなった場合、製品回収や販売中止に繋がり、業績に深刻な影響を与えるリスクがあります。 法令や規制への抵触リスクも存在し、薬機法など複数の法令を遵守する必要があります。違反があれば、業務停止や許認可の取り消しなど、重大な処分を受ける可能性があり、これも業績に悪影響を及ぼすリスクです。さらに、情報システムや情報セキュリティ、個人情報管理に関するリスクも重要です。サイバー攻撃などによる情報漏洩やシステムの停止は、賠償金の支払いや企業の信用低下を引き起こす恐れがあります。 また、人材の確保に関するリスクもあります。激化する人材獲得競争や人材の流出は、事業戦略の達成を困難にする可能性があります。 自然災害や感染症の発生も事業継続を脅かす要因となり得ます。特に新たな感染症の流行は、患者の医療機関への受診抑制や薬剤師の派遣需要の減少を引き起こし、業績に影響を与える可能性があります。 また、技術革新によるビジネスモデルの変革リスクも存在します。テレワークやオンラインサービスの利用拡大といった社会の変化に適応していく必要があります。 最後に、長生堂製薬株式会社で発生した品質問題や、不適切な製造行為に関する問題が業績に悪影響を及ぼしたことがあり、今後もその改善の取り組みが不十分である場合、業績への影響が懸念されます。