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東レ
Metrics
企業分析
強み
東レの強みは、多岐にわたる事業ポートフォリオと高度な技術力です。繊維、機能化成品、炭素繊維複合材料、環境・エンジニアリング、ライフサイエンスといった多様な分野で事業を展開しており、これにより、単一の市場変動リスクへの依存を低減させています。また、それぞれの事業で培われた技術を相互に活用することで、新たな製品や技術を生み出すことが可能となっています。 特に、炭素繊維複合材料分野においては、航空機やスポーツ用品など、高度な技術が求められる分野で実績があります。また、機能化成品事業では、多様な高機能素材を開発・製造しており、様々な産業分野のニーズに対応できる技術力を持っています。 研究開発にも力を入れており、研究開発費は前連結会計年度で681億9,200万円、当連結会計年度で694億8,600万円に上っています。また、従業員の専門性も高く、平均勤続年数は17.4年、平均年間給与は765万1,000円となっています。 さらに、グローバルな事業展開も強みの一つです。海外にも多数の拠点を持ち、世界各地で製品の製造・販売を行っています。例えば、トーレ・インダストリーズ(タイランド)社や東麗(中国)投資有限公司など、海外子会社が多数存在します。
弱み
東レの弱みとして、事業セグメントごとの収益性のばらつきが挙げられます。特に、ライフサイエンス事業は、他の事業と比較して事業利益が低く、2024年3月期には事業損失を計上しています。また、炭素繊維複合材料事業では、風力発電翼用途の調整局面により、事業利益が減少しています。 また、事業間の連携が十分に活かされていない可能性も指摘できます。各事業が独立して活動しているため、技術やノウハウの共有がスムーズに進んでいない場合があるかもしれません。セグメント間の売上収益が一部にとどまっていることも、その証左と言えるでしょう。 さらに、外部環境の変化に影響を受けやすいという側面もあります。為替レートの変動や原材料価格の高騰など、外部要因によって業績が左右される可能性があります。例えば、為替変動により、海外子会社の邦貨換算差が生じ、事業利益に影響を与えることがあります。 加えて、管理職に占める女性労働者の割合が低いことも課題です。提出会社では6.4%にとどまり、主要な子会社でも低い水準にとどまっています。これは、ダイバーシティ推進の観点からも改善が求められる点です。