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日本フエルト
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企業分析
強み
日本フエルト株式会社の強みは、長年の歴史で培われたフェルト製造技術と安定した収益基盤にあります。1917年の創業以来、抄紙用フェルトの製造を続け、紙・パルプ業界との長年にわたる取引関係を築いてきました。同社は、紙・パルプ用フェルト市場で安定的かつ長期的なシェア維持を目指し、主要な取引先との関係強化を進めています。 また、特殊な原材料を使用しているものの、一部の仕入先との取引は安定しており、顧客のニーズに応じた製品開発が可能な技術サービスを提供できる点も強みです。さらに、不動産賃貸事業においては、安定的な収益を確保しており、リスク分散を図るため、高齢者施設や賃貸マンション、学生寮など多岐にわたる運用を行っています。 コーポレート・ガバナンス体制も整備され、社外取締役や社外監査役による監督機能が強化されています。内部統制システムやリスク管理体制も確立されており、企業価値の向上と持続的な成長を目指す体制が整っています。
弱み
日本フエルト株式会社の弱みとして、まず主要な取引先である紙・パルプ業界の国内需要の減少が挙げられます。同社の売上高の大部分を占めるフェルト事業は、この影響を大きく受けており、国内フェルト事業の減収が課題となっています。また、原材料の調達を一部の仕入先に依存しているため、供給状況や価格動向によっては業績に影響を与える可能性があります。 さらに、国際情勢の影響により、原材料・燃料価格の高騰や物流の混乱も業績悪化の要因となっており、退職給付債務の算定においては、低金利の長期化による割引率の低下や年金資産の運用利回りの悪化が業績に影響を与える可能性もあります。金融情勢の変化、特に金利の急激な上昇も、業績に影響を与えるリスク要因となります。 また、同社の主要製品である紙・パルプ用フェルトの販売数量が減少傾向にあることも課題です。監査上の主要な検討事項として、紙・パルプ用フェルト製品の国内製紙メーカー向けの販売契約に関する売上高の期間帰属の適切性も指摘されています。