強み

アツギ株式会社の強みは、まず、長年にわたり培ってきた繊維製品事業のノウハウとブランド力です。特にレッグウェアにおいては、高い認知度と市場での実績があります。また、国内外に生産拠点を持ち、グローバルなサプライチェーンを構築している点も強みです。中国には複数の生産拠点があり、コスト効率の高い生産体制を築いています。さらに、多角的な事業展開も強みの一つです。繊維事業に加え、不動産事業や介護事業など、複数の収益源を持つことで、事業リスクを分散させています。特に不動産事業は、保有資産の有効活用により安定した利益を上げています。また、サステナビリティへの取り組みも強化しており、気候変動や人権に関する課題に積極的に対応しています。さらに、従業員のエンゲージメントを高めるための人事制度改革や働き方改革にも注力しており、従業員の能力を最大限に引き出す環境づくりも進めています。提案制度「ATG賞」を設け、従業員のチャレンジ精神を促進する企業文化も強みと言えるでしょう。

弱み

アツギ株式会社の弱みとしては、まず、繊維事業が市況に大きく左右される点が挙げられます。ファッション・トレンドの変化、天候不順、デフレによる低価格商品の増加、海外からの低価格商品の輸入増などにより、業績が変動しやすい状況です。特に主力商品の靴下の市場縮小は、競争激化を招き、経営環境を厳しくしています。また、海外生産拠点を中国に集中させていることによるリスクも存在します。中国政府の規制、人材確保の困難さ、通貨切り上げなどのリスクがあり、これらのリスクが顕在化すると、事業活動に支障が生じる可能性があります。さらに、過去数年間、業績が低迷している点も弱みと言えるでしょう。経常損失や当期純損失を計上していた時期があり、財務状況の改善が課題となっています。ただし、最新の事業年度では当期純利益を計上し、改善の兆しは見えています。また、従業員数が減少傾向にあることも懸念点です。特に、臨時従業員の減少が顕著であり、人材確保と育成が課題となっています。アツギ東北㈱が債務超過会社であるという事実も、グループ全体のリスク要因となっています。