4005 住友化学

住友化学は、環境問題の克服と農業生産の増大を両立させるという理念のもとで始まった総合化学メーカーです。100年以上にわたり、技術革新と事業変革を通じて、人々の豊かな生活を支えることを目指しています。「自利利他公私一如」の事業精神のもと、経済価値と社会価値を一体的に創出することを目指しています。 事業内容は広範囲にわたり、「エッセンシャルケミカルズ」「エネルギー・機能材料」「情報電子化学」「健康・農業関連事業」「医薬品」の5つの主要な報告セグメントに分かれています。エッセンシャルケミカルズ部門では、合成樹脂や合成繊維原料、各種工業薬品を取り扱っています。エネルギー・機能材料部門では、アルミニウムや正極材を扱っており、情報電子化学部門ではディスプレイや半導体向けの材料を提供しています。健康・農業関連事業部門では、農薬や肥料、飼料添加物に加えて、バイオスティミュラント分野にも注力しています。医薬品部門では、がん、中枢神経、婦人科領域などの医薬品を開発・販売しています。 住友化学は、グローバル展開を積極的に進めており、海外売上収益は全体の60%以上を占めています。特にアジア市場での販売が多く、近年では南米市場にも事業を拡大しています。 一方で、2023年度には3,118億円の最終赤字を計上し、既存の成長モデルが限界に達しているとの認識が強まっています。そのため、現在は事業再構築を含む短期集中の業績改善策に取り組んでおり、2024年度の業績ではコア営業利益1,000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益200億円の黒字を見込んでいます。また、抜本的な構造改革として、既存事業の立て直しと新たな長期成長モデルの確立を目指しています。