4028 石原産業

石原産業株式会社は、1920年に南洋鉱業公司として設立され、鉱山開発から始まり、海運業や化学工業へと事業を拡大してきました。現在は、有機化学事業と無機化学事業を主力として展開しています。 有機化学事業では、農薬（殺虫剤、除草剤など）の開発・製造・販売を中心に行っており、特に自社開発の原体を用いた新規製剤や混合剤の開発に力を入れています。また、ヘルスケア事業として、動物用医薬品や人体用医薬品の開発も行っています。 無機化学事業では、酸化チタンの製造・販売を行い、自動車向けや電子部品材料向けに製品を提供しています。特に、次世代の積層セラミックコンデンサー（MLCC）用の高純度酸化チタンの開発に注力しています。また、機能性材料や色彩顔料の開発にも取り組んでいます。 同社は、「Vision 2030　独創・加速・グローバル。化学の力で暮らしを変える。」を長期ビジョンとして掲げ、研究開発にも積極的に取り組んでおり、環境、エネルギー、バイオ、IT、食料などの分野での新規事業探索も進めています。また、人的資本を重視し、「ものごとの基本を理解し、実践した上で“変える”ために、“変わる”ことのできる人」を育成目標として掲げています。 近年、同社は四日市工場の硫酸法酸化チタン製造設備を2027年3月末に停止することを決定し、無機化学事業の構造改革を進めています。また、グローバル展開を強化しており、海外子会社も複数有しています。さらに、リスク管理にも注力しており、事業継続計画の策定や保険の加入、金融機関との連携を通じて、災害や経済変動などのリスクに備えています。