強み

戸田工業グループの強みは、微粒子合成技術を基盤とした独創的な新素材開発力と、顧客ニーズに即応する商品開発力です。同社は、長年にわたり培ってきた微粒子合成技術を活かし、機能性顔料や電子素材などの分野で、世界最高レベルの磁気特性を持つ射出成形用異方性NdFeBコンパウンドを製造販売するなど、高い技術力を有しています。また、顧客との連携を重視し、顧客ニーズに合わせた製品開発を行うことで、競争優位性を確立しています。さらに、東北大学などの社外研究機関との共同研究開発を推進することで、自動車産業などの新たな分野への展開を目指しており、持続的な成長を可能にする体制を構築しています。人材育成においては、「技術立社」の精神を礎に、従業員の独創性と多様性を大切にし、先進性に富む開発力で社会に貢献できる企業を目指しています。

弱み

戸田工業グループの弱みとしては、まず、業績の変動性が挙げられます。第91期には、固定資産に係る多額の減損損失の計上などにより、親会社株主に帰属する当期純利益が大幅に減少しています。また、電子部品や自動車市場の顧客の業績や経営戦略の転換によって需要の変動が発生し、在庫評価損などが発生するリスクがあります。さらに、既存製品市場における需要減退や、競合他社による安価な製品や代替製品の出現、新製品の開発遅延、技術革新などが、同社グループの競争力低下につながる可能性も指摘されています。人材面においては、男女・年齢・役職の人数構成のアンバランス、女性管理職比率の低さ、障がい者雇用、社員の高齢化、若者の流出、専門人材の不足などが課題として挙げられています。これらの課題に対し、女性活躍推進、育児休業取得の促進、両立支援制度の策定、海外赴任候補者の育成などの対策を講じる必要性が認識されています。