強み

Delta-Fly Pharma株式会社の強みは、「モジュール創薬」という独自の創薬方法にあります。この方法では、既存の抗がん活性物質を「モジュール」として利用し、創意工夫を加えて組み合わせることで、臨床上の有効性と安全性のバランスを向上させた新規抗がん剤を創製します。このアプローチのメリットは、一般的な抗がん剤創薬に比べて基礎研究がほとんど不要であり、臨床試験を迅速に開始できることです。そのため、研究開発の効率が高く、期間も短縮され、開発リスクも低減されます。 さらに、Delta-Fly Pharmaは、抗がん剤開発の経験が豊富なメンバーによって設立されており、医薬品として既に市場に出ている抗がん剤の問題点に着目し、副作用を抑えつつ治療効果を改善する方法を追求しています。このような工夫や組み合わせにより、従来の治療法では解決できない課題に対する新たなアプローチを提供しています。 また、外部資源の有効活用も同社の強みであり、効率的な組織運営のために外部機関と積極的に連携しながら研究開発を進めています。

弱み

Delta-Fly Pharma株式会社の弱みとして、収益基盤が不安定である点が挙げられます。主な収入源はライセンス契約による契約一時金やマイルストーン収入ですが、製品売上による安定的な収益を計上する段階には至っていません。これは、多額の研究開発費が先行して必要となり、営業損失が継続的に発生し、営業キャッシュ・フローがマイナスとなる傾向があるためです。そのため、財務体質の強化が急務となっています。 加えて、開発パイプラインの進捗や提携パートナーの開拓、ライセンス契約の締結が遅れると、業績に重大な影響を与える可能性があります。また、新薬候補化合物の開発遅延や追加試験の必要性が発生した場合、計画外の追加資金が必要となり、資金調達が困難な場合には事業継続に対する懸念が生じることも考えられます。