強み

プレミアアンチエイジンググループの強みは、アンチエイジング事業とリカバリー事業という成長市場での事業展開、複数のブランドポートフォリオ、自社での商品企画・開発力、そして外部委託による効率的な事業運営です。 アンチエイジング事業では、「デュオ」「カナデル」「クレイエンス」など複数のブランドが展開され、それぞれが異なる顧客層にアプローチしています。特に、「デュオ」はクレンジング市場で一定の地位を築いており、「クレイエンス」はクレイと先進のサイエンスを融合させたヘアケアブランドとして展開されています。また、「シーマニア」や「デュオメン」なども、それぞれ独自のコンセプトで顧客のニーズに応えています。これらのブランドは、通信販売を主力としているものの、バラエティショップなどの卸売販売にも販路を広げており、多角的なチャネル戦略を展開しています。 リカバリー事業では、株式会社ベネクスが持つ特許技術を用いたリカバリーウェアが強みとなっています。ベネクスの製品は、疲労回復や安眠サポートを目的としており、トップアスリートから一般消費者まで幅広い層に支持されています。2023年1月にベネクスを完全子会社化したことで、リカバリー事業の重要性が増し、新たな成長の柱となっています。 同グループは、商品企画・開発、マーケティング、コールセンターの一部を自社で行い、物流や決済などの業務を外部に委託することで、経営資源をコア業務に集中させています。これにより、効率的な事業運営とコスト削減を実現しています。 また、多様な働き方を支援する制度も、同グループの強みの一つです。フレックスタイム制度やサークル活動への費用補助などを実施することで、従業員のエンゲージメントを高め、ユニークな価値を生み出す企業文化を醸成しています。 これらの強みを活かし、同グループは「ユニークな価値にこだわりぬく」ことを掲げ、長期的には「アンチエイジングカンパニーへの進化」を目指しています。

弱み

プレミアアンチエイジンググループの弱みとして、主力事業である通販事業の売上不振、競争激化による広告コストの高止まり、海外事業の計画修正、新製品開発の遅延リスクなどが挙げられます。 通販事業では、主力の「デュオ」ブランドの売上が、クレンジング市場におけるバーム剤型からオイル剤型へのシフトや、低価格バーム製品への顧客流出により減少しています。また、「クレイエンス」ブランドもカラートリートメント市場での競争激化や広告コストの高止まりの影響を受けています。これらの要因により、アンチエイジング事業全体の売上が計画を下回り、2024年7月期の売上高は前期比で28.1%減少しました。 リテール事業では売上成長を実現できていないことも課題となっています。成長領域として位置づけていた海外事業では、処理水問題や中国市場の減速の影響を受け、計画の大幅な修正を余儀なくされています。このような状況から、同社は事業環境の変化や競争激化に十分に対応できていない面があると考えられます。 また、新製品開発が計画通りに進まない場合や、開発した製品が市場で受け入れられない場合、業績に影響を及ぼす可能性もあります。同社は市場ニーズの分析や研究開発体制の強化に努めていますが、新製品開発には常にリスクが伴うことを認識する必要があります。 さらに、広告宣伝費の効率的な運用が課題となっています。販売費を効率的に運用し、固定費の適正化を進めているものの、売上高に対する広告宣伝費の比率は依然として高く、2024年7月期には31.2%となっています。 これらの課題に対して、同社はブランドマネジメントと各チャネルの協働によるブランド、商品、チャネルの最適化を図り、事業の成長を目指しています。具体的には、顧客に届ける価値を再定義した上で新商品や新ブランドを投入し、新たなコミュニケーションやプロモーションを実行する予定です。また、通販チャネルでは獲得効率の徹底とCRM施策の拡充、リテールチャネルでは新プロモーションとのタイアップ施策を推進していく方針です。