強み

タカラバイオ株式会社の強みは、まず財務的な安定性が挙げられます。また、アジア市場における確固たるプレゼンスと、幅広い技術ラインナップを有しており、独自の産業的地位を確立していると自認しています。同社は、研究開発型の企業として、広範囲にわたる研究開発活動を重視しており、特に遺伝子治療分野での開発に注力しています。また、知的財産権による保護を重視しており、開発した技術や製品を可能な限り知的財産権で保護し、独占化や差異化を図っています。さらに、多様な人材の活躍を推進しており、異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観が社内に存在することが、持続的な成長を遂げるための強みであると認識しています。人材育成にも力を入れており、社員一人ひとりのスキルやチャレンジを経営や事業に反映できる企業風土を目指し、人事制度や育成プログラムを整備しています。加えて、同社はグループ会社との連携を密にしており、グループ戦略会議やタカラバイオ連絡会議などを通じて、情報共有や連携を図っています。これらの会議体は、グループ各社間の報告を目的としており、当社の自主性・独立性を妨げるものではないと述べています。また、内部統制やコンプライアンスの強化にも努めており、事業活動におけるリスク管理を徹底しています。

弱み

タカラバイオ株式会社の弱みとしては、まず市場競争の激しさが挙げられます。研究用の試薬・機器・受託サービスの製造・販売・提供には、医薬品や医療機器のような許可や承認を必要としないため、参入障壁が比較的低く、国内外に多数の競合企業が存在します。特に、遺伝子治療分野においては、欧米のバイオベンチャーや製薬企業など、多数の企業が研究開発に取り組んでおり、競争が激化しています。また、研究開発活動の遅延リスクも存在し、特に遺伝子治療分野の開発は長期間を要するため、計画通りに進まない場合、事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、人材の確保についても、専門的な知識や技能を持つ優秀な人材の確保が必須であるものの、計画通りに人材が確保できない場合や人材が社外に流出する状況になった場合には、事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、受託にかかる売上については、契約の複雑性などから収益認識に不確実性が伴うリスクがあり、契約によっては、検収、受領、出荷等の成果物の支配が顧客に移転した時点を判断する必要があるため、収益認識のタイミングが変動する可能性があります。同社は、宝ホールディングス株式会社のグループ会社であり、同社との間で不動産賃貸借取引やコンピュータ関係業務の委託などを行っていますが、これらの取引継続が困難になった場合には、事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。製造物責任のリスクも内在しており、特に医薬品、医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品などの製品においては、健康障害を引き起こしたり、製造物の欠陥が発見された場合には、大規模な製造物責任を負う可能性があります。また、法規制についても、研究開発や製造・販売において関連法規を遵守する必要があり、将来的に規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合には、事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。