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昭和ホールディングス
Metrics
企業分析
強み
昭和ホールディングス株式会社の強みは、多角的な事業ポートフォリオにあります。食品、スポーツ、ゴム、コンテンツという異なる分野で事業を展開することで、特定の市場の変動リスクを分散させることが可能です。食品事業では、和菓子という伝統的な市場で一定の地位を確立しており、明日香食品㈱は53億以上の売上を誇ります。スポーツ事業では、ソフトテニスボールの製造販売で実績があり、㈱ルーセントはスポーツ用品の販売やスポーツ施設工事、テニスクラブの運営等を行っており、競技活動への支援や情報発信を通じて顧客との接点を増やしています。ゴム事業では、競合他社の撤退により売上増が見込まれる状況で、国内生産強化と海外事業会社との連携を進め、特にアジア地域での展開を強化しています。ライニング事業においては、過去の中期経営計画で「残存者利益」の確保を目指しており、その成果が現れています。さらに、新規事業である旅行事業も順調に拡大しており、事業の柱となるように育成しています。また、通年採用制度を採っており、中途採用者を積極的に雇用し、人材の多様性確保にも努めています。各事業セグメントの責任者がリスクを認識し、執行役員会で報告する体制を構築しており、リスク管理体制も確立しています。
弱み
昭和ホールディングス株式会社の弱みとして、まず業績の不安定さが挙げられます。2020年3月から2023年3月にかけて売上高が減少傾向にあり、経常利益も損失を計上する期が多いです。特に2022年3月期には、売上高が大きく減少し、親会社株主に帰属する当期純損失も多額になっています。また、自己資本比率が低下傾向にあり、2024年3月期には50.6%となっています。各事業セグメントにおいて、価格競争の激化や原材料価格の高騰、急激な円安などが経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。特にゴム事業では、主要原材料である合成ゴムや天然ゴムの価格変動が業績に影響を与える可能性があります。また、製品の不具合やクレームが発生した場合、社会的信用や業績が大きく影響を受ける可能性があります。さらに、災害発生による操業の中断も業績に影響を与える可能性があります。関係会社への投融資に関しても、関係会社の業績悪化や事業計画の変更によって、減損処理や貸倒引当金の計上が必要になるリスクがあり、投資有価証券についても、発行体の信用リスクや市場価格の変動リスクの影響を受けます。