5759 日本電解

日本電解株式会社は、1958年に設立され、現在の商号に変更したのは2019年です。同社の主な事業は、リサイクル銅を使用して電解銅箔を製造することです。製品群は多岐にわたり、車載電池用、微細回路基板用、高強度銅箔、キャリア付極薄銅箔などがあります。 車載電池用銅箔は、充放電時の負荷に耐える特性を持ち、高い引張強度と伸び率が特徴です。微細回路基板用銅箔は、微細な回路形成に対応するため、特別な防塵管理と微細粗面化処理が施されています。高強度銅箔は、極薄でも高い引張強度を維持し、優れたハンドリング性を持っています。また、キャリア付極薄銅箔は、高温でも安定した剥離強度を誇ります。 同社は環境への配慮も行っており、銅材料はすべてリサイクル品を使用し、製造過程で発生する銅箔屑もリサイクルしています。品質管理には力を入れており、自動検査機による全数検査を実施しています。今後は次世代LIB（リチウムイオンバッテリー）向けの製品開発や、高速通信・高密度実装領域向けの製品開発を推進しています。また、米国子会社との連携を強化し、車載電池用銅箔の生産体制を整備しています。 ただし、近年は営業損失や経常損失を計上しており、財務状況は厳しい状況にあります。そのため、高付加価値分野へのシフトや技術力の強化、価格改定による収益性改善に取り組んでいます。