5923
高田機工
Metrics
企業分析
強み
高田機工株式会社の強みは、長年にわたって培ってきた橋梁事業における高い技術力と実績にあります。特に、新設鋼橋の設計・製作・現場据付、既設橋梁の維持補修工事など、社会インフラに不可欠な分野で確固たる地位を築いています。また、橋梁関連鋼構造物や複合構造物、土木・海洋関連鋼構造物の製作も手掛け、幅広いニーズに対応できる技術力を誇ります。 さらに、長年の経験で培われたノウハウを基に、効率的かつ一定の品質水準を保持した鋼橋製作を目指し、技術資料の作成や社内共有を進めています。大学機関と共同で溶接変形や割れに関する数値解析を行うなど、常に技術力の向上に努めています。また、国土交通省をはじめとする官公庁からの信頼が厚く、安定した受注を確保しています。 さらに、人材育成にも力を入れており、専門性の強化、多様性ある人材の確保、経営人材の育成を柱として取り組んでいます。特に、品質と安全の維持向上を重視し、公的資格の取得を奨励しています。また、ワークライフバランスを重視した社内環境整備にも取り組んでおり、従業員の定着率向上にも寄与しています。 加えて、財務基盤が安定しており、自己資本比率は69.7%となっており、健全な経営が支えられています。
弱み
高田機工株式会社の弱みとして、まず、鉄構事業の収益性が低いことが挙げられます。2021年3月期から2024年3月期まで4期連続で減損損失を計上しており、鉄構事業の体質改善が急務となっています。また、生産設備を和歌山工場に集中させているため、自然災害等で同工場の機能が停止した場合、業績に大きな影響を及ぼすリスクがあります。製品が大きく重いため、工場製作、輸送、現場施工の各工程で危険な作業を伴い、事故発生のリスクも抱えています。さらに、鋼材の需給関係が逼迫した場合、鋼材の確保が困難になり、業績に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。また、借入金残高が46億円あり、今後の金利上昇による業績への影響も懸念されます。加えて、業界全体として、都市圏環状道路の大型プロジェクト案件の発注が一巡し、資材費や労務費の高騰、工程調整等の影響による新規事業の発注遅れが生じており、不安定な国際情勢や、原材料価格・エネルギー価格の高騰、円安の進行、物価の上昇などの影響を受けやすい状況にあります。