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イード
Metrics
企業分析
強み
株式会社イードの強みは、まず、同社はCP事業とCS事業の2つの主要事業を展開しており、インターネット広告、データ・コンテンツ提供、リサーチソリューション、メディアコマースなど複数の収益源を確保しています。この多様な収益ポートフォリオにより、外部環境の変化に対しても耐性が強化されています。 次に、CP事業においてメディアシステムの開発運営が好調であり、システム売上が大きく増加しています。これにより、同社の技術力とシステム開発能力の高さが強調されています。 さらに、Webメディアとコンテンツの運営を通じて顧客企業にマーケティングサービスを提供しており、多様な顧客層へのアプローチと効果的なマーケティング戦略を展開しています。また、データ・コンテンツ提供事業においても安定した売上を記録しており、同社の保有するデータの質と価値が高いことを示しています。 グループ会社との連携も強みであり、子会社7社と関連会社2社からなるグループ体制により、多角的な事業展開と相互シナジーを創出しています。特に、株式会社エンファクトリーとエフ・アイ・ティー・パシフィック株式会社は売上高において重要な役割を果たしており、連結売上高の10%以上を占めています。 最後に、個人情報保護に対する高い意識と体制を持っており、プライバシーマーク認証を取得しています。この認証は顧客からの信頼性を高める重要な要素となっています。
弱み
株式会社イードの弱みとして、まず、CP事業において、インターネットメディアへの広告出稿が依然として十分でなく、利益率の高いネット広告売上が前期を下回る水準となっています。このことは、外部環境の変化に影響を受けやすいことを示唆しており、安定した成長を維持するための課題となっています。 次に、CS事業では、ECソリューションの受注が伸び悩んでおり、市場ニーズの変化や競合との競争激化が原因として考えられます。これにより、同事業の成長が鈍化し、収益拡大に制約がかかっています。 また、当連結会計年度において、投資有価証券評価損や減損損失などの特別損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比で大幅に減少しています。これにより、収益性の低下が示唆され、企業の安定性に懸念を抱かせる要因となっています。 さらに、株主総利回りが東証グロース市場250指数を下回る水準で推移しており、株主への還元という点で課題を抱えている可能性があります。これにより、投資家からの信頼を維持するための改善が求められます。 従業員の平均年齢と勤続年数に関する具体的な数値が示されていないことは、従業員構成を把握することが難しく、社内の人材構成に対する透明性の欠如を意味しています。 最後に、従業員数は2024年6月30日現在、174名(臨時雇用者42名)であり、事業拡大に伴う人材の確保と育成が今後の課題となる可能性があります。事業の成長には適切な人材戦略が求められるため、育成体制の強化が重要となるでしょう。