6142 富士精工

富士精工株式会社は、超硬工具関連事業、自動車部品関連事業、包装資材関連事業を主軸とする企業グループであり、機械工具の設計・販売や専用工作機械の製造・販売も行っています。同社グループは、顧客満足を重要な要素と捉え、地域に密着した技術サービスを提供しており、地域別セグメントを主体とした企業集団を構成しています。具体的には、日本、アジア、北米・中米、オセアニア、欧州の5つの地域で事業を展開しています。 日本では、工作機械産業向けの特殊工具の製造・販売を行っており、アジアでは、中国を中心に超硬工具の製造・販売をしていますが、近年はガソリン車向けの需要が減少し、業績に影響が出ています。北米・中米では、ハイブリッド車向けの工具需要が拡大しており、業績が好調です。オセアニアでは、断熱材や包装資材の製造・販売が主力事業であり、欧州では、既存顧客の売上が堅調に推移しています。 同社グループは、1958年の設立以来、「社会への奉仕」「顧客への奉仕」「技術開発」「個人能力の開発」「職場の和」を基本方針としており、工作機械産業の特殊工具分野における「ものづくり」を通じて、産業界や社会の発展に貢献してきました。近年では、自動車産業の電動化シフトに対応するため、モーターなどの電動車部品生産用工具や、摩擦攪拌接合用工具の開発に力を入れています。また、生産現場での自動化や省人化に貢献する製品開発も進めています。 同社グループは、安定した配当が可能な収益を確保し、企業価値を高めることを経営課題としており、営業利益率6%以上を目標としています。しかし、中国でのガソリン車需要の減少などの影響で、目標達成には課題が残されています。今後は、脱ガソリン車の流れに沿った新製品の開発を進め、中期経営計画を着実に実行していくことで、目標達成を目指しています。