強み

クボタの強みは、グローバルに展開する事業基盤と、長年培ってきた技術力にあります。130年以上の歴史の中で、鋳物製造から始まり、農業機械、建設機械、水処理プラントなど幅広い分野で事業を展開し、それぞれの分野で高い技術力を有しています。特に、農業機械分野では、高度な技術を駆使した製品開発力で、世界中の農業の発展に貢献しています。近年では、AI技術を活用した老朽度評価システムを開発し、水道管の更新計画を効率化するなど、デジタル技術の活用も進めています。また、顧客のニーズに応じた製品開発に注力しており、例えば、コンバインでは、枕地を荒らしにくい「ほ場にやさしい」収穫作業や、大型トラックへのスムーズな積載を可能にするなど、現場の声を反映した製品開発を行っています。さらに、グローバルなサプライチェーンを構築しており、海外生産拠点での調達も増加しており、世界規模での最適地調達を推進しています。これらの強みが、クボタの持続的な成長を支えています。

弱み

クボタの弱みとしては、海外市場における景気変動の影響を受けやすい点が挙げられます。特に、欧米市場では、小型トラクターなどの売上が、個人消費や住宅建設投資などの景気動向に左右される可能性があり、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、原材料の価格高騰や調達難もリスク要因として挙げられます。外部の供給業者から多くの原材料や部品を調達しており、需給の逼迫や市況の変動によって価格が急激に高騰した場合、利益が減少する可能性があります。さらに、国際的な事業展開に伴うリスクも存在します。為替レートの変動、地政学リスク、海外の法規制の変更などが、安定的な製品の製造・販売を困難にする可能性があり、売上の減少やコストの増加につながるリスクがあります。また、金利変動もリスク要因であり、金利が上昇した場合、支払利息が増加するだけでなく、金融事業に関連してインセンティブコストが上昇する可能性があります。これらのリスクに対して、為替予約や金利スワップなどのデリバティブを利用してヘッジを行っていますが、完全にリスクを回避することは困難です。加えて、政策保有株式を多数保有していることも、株式相場の変動リスクにさらされる要因となっています。