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石井鐵工所


従業員数パッケージプラン
月額: 4,400

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従業員数

データ粒度:month

従業員数(子会社を含む)


企業分析

強み

株式会社石井鐵工所の強みは、鉄構事業における一貫したエンジニアリング能力にあります。同社は、油槽やその他の貯槽、化学工業用機械装置、鉄骨、各種プールなどの鉄鋼構造物の設計から製作、据付、試運転までを自社で完結させることができ、これにより顧客のニーズに合わせたカスタマイズされた製品を提供しています。また、長年の実績と技術力に支えられた高い品質も同社の大きな強みです。 技術開発にも積極的に取り組んでおり、溶接の自動化や新工法の開発を通じて、熟練技能者不足や労働人口減少といった課題に対応しています。さらに、ドローンを活用した工場内巡回点検システムの開発は、業務効率化や新たな収益源の創出に貢献しています。 また、海外展開も同社の強みの一つです。マレーシアとシンガポールに連結子会社を有し、海外での鉄構事業を展開しています。これにより、グローバル市場への対応力を高めています。 財務面では、安定した純資産額を維持しており、2024年3月期には131億71百万円の純資産額を計上しています。さらに、利益率の高い工事の完工や為替差益などによって経常利益が増加しており、収益性の向上も特徴です。 加えて、強固な企業統治体制を備えており、監査等委員会を設置し、複数の社外取締役の議決権行使を通じて経営の公正性と透明性を確保しています。また、指名・報酬委員会を設けて役員の報酬決定における透明性と客観性を高めています。

弱み

株式会社石井鐵工所の弱みとして、まず売上高が外部環境に左右されやすい点が挙げられます。同社は鉄構事業において、石油、電力、ガス、重化学工業界など特定の業界の設備投資動向に業績が大きく影響を受けるため、これらの業界の景気変動や投資抑制が直接的に売上減少につながるリスクがあります。また、個別の工事契約が確定金額であるため、インフレ時に原価が上昇した場合、そのコスト増を吸収することが難しい点も弱みとなります。 さらに、海外大型工事の完工時期の遅延も、売上高に影響を与える要因となります。特に大規模な案件では予期せぬ遅延が発生しやすく、その結果、売上計上時期がずれ込むことで業績変動が大きくなる可能性があります。 人材面では、鉄構事業における熟練技能者の不足や労働人口の減少が課題となっています。溶接の自動化や新工法の開発に取り組んでいますが、これらの技術革新が十分な効果を発揮するまでには時間を要する可能性があります。 財務面では、売上高が減少した場合、売上原価や販売費・一般管理費の削減が追い付かず、利益率が低下するリスクがあります。2024年3月期には売上高が減少した一方で、人件費の高騰などにより販売費及び一般管理費が増加しました。 また、特定の取引先との関係に依存する面もあり、主要な取引先との関係が悪化した場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。同社は取引先との安定的な関係構築を重視していますが、これらの取引関係が長期的に維持される保証はありません。 さらに、技術開発においては、ドローンによる工場内巡回点検システムのような成果を上げているものの、研究開発費が少額であり、新たな技術開発への投資が十分でない可能性があります。次世代エネルギー市場での燃料アンモニア導入やCCS/CCUSへの参画を目指すには、より一層の研究開発投資が必要となるでしょう。