強み

大和冷機工業株式会社の強みは、業務用冷凍冷蔵庫分野における顧客ニーズに応える製品開発力と、それを支える技術力にあります。同社は、業界初の上下分割4枚小扉仕様のスライド扉冷蔵庫を開発するなど、常に新しい製品を市場に投入しています。さらに、組立式業務用冷凍冷蔵庫のモデルチェンジを行い、搬入が困難な場所にも設置できる製品を提供しています。 また、製品には、製品の周囲温度や庫内温度異常を検知する独自のデータ収集システムが搭載され、顧客に安心と安全を提供しています。加えて、組立式ビッグイン冷凍冷蔵ショーケースがグッドデザイン賞を受賞するなど、デザイン性にも優れた製品開発を行っています。これらの製品開発は、食の安心・安全、美味しさの提供、そして省エネ化を目指す社会的要請に応えるものであり、同社の企業使命を体現しています。 さらに、新調理システムの機器開発にも力を入れており、スチームコンベクションオーブンや真空包装機、ブラストチラー、液体凍結機など、幅広い厨房オペレーションに対応できる機器を開発しています。これにより、飲食店の労働力不足という課題にも貢献しています。 これらの製品開発を支えるのが、同社の研究開発体制です。同社は、省エネ性能の向上や自然冷媒への転換といった地球環境に配慮した製品開発を積極的に推進し、顧客ニーズに応えるとともに、社会的責任も果たしています。

弱み

大和冷機工業株式会社の弱みとして、いくつかの事業リスクが挙げられます。まず、製品の不具合や欠陥による保証や代替コストが発生する可能性があります。生産物賠償責任保険には加入し、PSE対策も進めているものの、予見できない不具合が発生した場合、経営成績や財政状態に悪影響を与えるリスクがあります。また、同社が取り扱う製品には、フロンなどの法規制の影響を受ける部材が含まれており、法規制の改正が事業活動に影響を及ぼす可能性も指摘されています。 次に、情報管理に関するリスクが存在します。特許権や意匠権などの知的財産権に関連する情報を取り扱っているため、第三者の許諾を受けていない状態でこれらの情報を使用している可能性があります。また、取引先情報や個人情報などの機密情報が、社内管理体制の不備や外部からの攻撃により漏洩した場合、社会的制裁や提訴を受けるリスクがあります。 さらに、自然災害によるリスクも避けられません。工場や本社、支店、営業所所在地で大規模な自然災害が発生した場合、事業活動が困難となり、経営成績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 また、新規の投資に関しては、付加価値の高い製品開発に取り組んでいるものの、これらの投資は従来の事業リスクよりも高い潜在リスクを伴うことがあり、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 風評被害や新たなウイルス感染症拡大もリスク要因です。インターネット上での誹謗中傷や、新たなウイルス感染症の流行が経済活動を制限し、同社の株価や信用、経営成績に悪影響を及ぼすことが考えられます。 加えて、人的資本に関する定量的な指標や目標が設定されていないことも弱みとされています。社員の育成や社内環境整備に注力しているものの、具体的な目標がないため、取り組みの効果を測ることが難しい状況です。 最後に、自己資本比率がやや低いことも懸念材料です。2022年の84.4%から2023年には69.7%に低下しており、財務の安定性に不安を感じさせる要素となっています。