強み

JDIの強みとしては、まず、グローバルな事業展開が特徴です。JDIは日本、アジア、ヨーロッパに製造および販売拠点を持ち、グローバルなサプライチェーンを構築しています。このため、多様な市場へのアクセスとグローバルな顧客ニーズに対応できる可能性があります。 また、ディスプレイ技術においても強みがあります。JDIは長年培ってきたディスプレイ技術をベースに、競争力強化や収益性向上を目指しています。さらに、部材サプライヤー、装置メーカー、顧客といった外部企業との協業を通じて、新技術や新製品の開発に取り組んでいます。 多様な外部連携もJDIの強みの一つです。同社は外部企業との協業を積極的に行い、競争力の強化、収益性の向上、長期的な供給体制の維持、新技術・新製品の開発に努めています。 さらに、内部統制の強化にも力を入れています。過去の不適切な会計処理に対する反省を踏まえ、JDIは内部統制システムを整備し、運用しています。財務報告に関わる内部統制の重要性を認識し、2021年以降、内部統制が有効である旨を記載した報告書を提出しています。 ただし、これらの強みが必ずしも業績や財務状況に反映されているわけではなく、JDIは継続的な損失を計上しているため、事業構造改革を進めつつ、経営の安定化を目指しています。

弱み

JDIの弱みについては、まず、継続的な損失計上が続いており、営業損失および当期純損失を計上しています。このため、経営状況は厳しい状態にあります。売上は特定のアプリケーションや製品、顧客に依存しており、市場の変動や顧客のブランド力低下の影響を受けやすい状況です。 また、大規模な設備投資や事業環境の急速な変化により、フリー・キャッシュ・フローの赤字が続いています。これにより、資金需要を自社グループのキャッシュフローで賄えない状態が続いています。品質問題や歩留まりの悪化、供給遅延、価格高騰といったリスクも存在し、サプライチェーンの調達リスクが高いことが業績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、為替相場の変動によって、海外子会社の現地通貨建ての資産・負債が業績に影響を与えることがあります。製造拠点や販売拠点が自然災害に見舞われるリスクがあり、これにより生産や出荷、販売活動が停止する可能性もあります。 過年度の不適切な会計処理に関連する訴訟が提起されており、知的財産権侵害や製品の欠陥、瑕疵に関する訴訟リスクも存在しています。内部統制の不備が明らかとなっており、これを改善するための取り組みが継続的に求められています。 継続的な損失計上により、継続企業の前提に不確実性が生じています。また、サプライチェーンにおける人権リスクも抱えており、強制労働に関与する部品の調達が報告されています。 これらの弱みは、JDIが持続的な成長と収益性改善を実現するために解決すべき重要な課題です。