6962 大真空

株式会社大真空は、水晶振動子や水晶応用製品などの電子部品を生産する企業で、1963年の設立以来、国内外で事業を拡大してきました。同社は東京証券取引所市場第一部に上場しており、スマートフォンやパソコン、カーエレクトロニクスといった幅広い分野で製品が利用されています。特に車載分野では、半導体不足の解消による自動車生産台数の回復を背景に堅調な需要が続いています。 研究開発では、製品の小型化、薄型化、高周波化、高精度化に加え、低消費電力化や耐環境性能の向上を目指しています。Arkh.3Gでは、光トランシーバやIC内蔵製品向けの需要に対応するため、小型・薄型設計が評価されています。環境配慮型製品の開発にも注力し、持続可能な社会への貢献を目指しています。 同社は10年長期経営計画を推進し、水晶業界が抱える構造的な課題の解決を図っています。具体的には、コスト構造の見直しや関係会社の再編を行い、グループ全体での業績向上を目指しています。また、生産設備の増強や基幹システムの刷新を通じて、成長に向けた投資を継続しています。さらに、安全衛生管理を強化し、労働災害ゼロを目指す取り組みを進めています。 一方で、同社の事業環境にはインフレによる物価高騰や政策金利の上昇といった経済的要因が影響しており、景気回復が鈍化する懸念があります。加えて、中国や台湾のメーカーによる競争が激化しており、製品のコモディティ化が進む中で差別化が求められています。 このような状況下で、同社は技術革新と効率化を図りながら、長期的な成長を目指して事業運営を行っています。