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双葉電子工業
双葉電子工業 オルタナティブデータ
双葉電子工業 株主総会議案データ
双葉電子工業について
強み
双葉電子工業の強みは、長年にわたり培ってきた**「本質之直視」という企業哲学に基づき、事業戦略から業務執行、ものづくりの現場に至るまで、常に本質を見失うことなく事業を推進している点にあります。この理念は、「なくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献する」**という企業理念にも繋がっています。 具体的には、電子デバイス事業と生産器材事業という2つの柱を持ち、それぞれで独自の強みを発揮しています。電子デバイス事業では、タッチセンサー、有機ELディスプレイ、蛍光表示管、複合モジュール、産業用・ホビー用ラジコン機器など幅広い製品を開発・製造・販売しており、顧客のニーズに応じたソフトウェアやサービスを組み合わせたソリューション提供へと事業を発展させています。特に、点検・防災・FA市場へのサービス提供に注力しています。 生産器材事業では、プレス金型用部品、モールド金型用部品、省力機器(エアフィーダ、オートリール)など、製造現場に不可欠な製品を提供しています。また、良否判定・成形条件調整機能を備えた射出成形AIシステムの展開を進めています。 さらに、グローバル展開も同社の強みの一つです。台湾、米国、香港、中国、韓国、フィリピン、ドイツ、シンガポール、ベトナム、タイなどに拠点を持ち、各地域で生産・販売活動を行っています。これらの海外拠点は、地域に根差した事業展開を可能にするとともに、グローバルな市場ニーズに対応できる体制を支えています。加えて、人材育成にも力を入れており、「自ら考え、提案力と行動力で会社の組織を動かせる人財」、「グローバルに活躍できる人財」、「新たな価値創造のできる人財」の育成を重視しています。 サステナビリティへの取り組みも同社の強みです。環境負荷の低減、資源の有効活用、人財育成、ダイバーシティの実現、従業員の健康と安全の確保、人権への取り組み、働き方改革の推進など、多岐にわたる重要課題を設定し、事業活動と並行してこれらの課題解決に取り組んでいます。 これらの強みを活かし、同社はハードウェア製品の製造・販売から、ソフトウェアやサービスを組み合わせたソリューション提供へと事業を転換し、更なる成長を目指しています。
弱み
双葉電子工業の弱みとして、まず業績の不安定さが挙げられます。過去数年間、売上高は増減を繰り返しており、経常利益や親会社株主に帰属する当期純損失も安定していません。特に、過去数期では固定資産の減損損失が主な要因で、親会社株主に帰属する当期純損失が発生していることが影響しています。また、最近も構造改革による事業再編損や固定資産の減損損失により、当期純損失を計上しており、収益性の改善が課題となっています。 さらに、事業構造上の課題も存在します。ハードウェア製品の製造・販売に強みを持ちながら、ソフトウェアやサービスを組み合わせたソリューション提供への転換を進めています。この転換期において、新しい事業領域に必要なコンピタンスの獲得が課題となっており、既存のハードウェア中心の事業から脱却し、新たな収益源を確立する必要があります。 また、従業員数の減少も懸念されています。過去数年間で従業員数は減少傾向にあり、特に最近では大幅な人員削減が行われています。これは、構造改革の一環として行われた可能性がありますが、人材の確保と育成は、同社の今後の成長にとって重要な課題です。 加えて、海外事業におけるリスクも存在します。海外売上高は減少傾向にあり、為替変動や海外市場の景気変動の影響を受けやすい状況です。また、海外子会社における事業再編や組織運営の課題も指摘されており、グローバルな事業展開をさらに強化するためには、これらの課題を克服する必要があります。 具体的なリスク要因としては、原材料やエネルギー価格、運送費の高騰や棚卸資産の陳腐化、知的財産権侵害のリスク、そして自然災害や感染症のリスクがあります。これらは同社の業績に影響を与える可能性があり、適切なリスク管理が必要です。 最後に、株価収益率(PER)が算出できない状態が続いている点も、投資家からの評価を得る上で不利な要素となります。これは、同社が継続的に純損失を計上しているためであり、収益性の改善が急務です。