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ファルテック
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企業分析
強み
ファルテックグループの強みは、自動車外装部品事業における高いものづくり力と技術力、および自動車純正用品事業における企画力とデザイン力にあります。具体的な強みとしては以下の点が挙げられます。 まず、樹脂成形技術、金属加工技術、表面処理技術といった多様な技術を保有し、高品質な製品を提供しています。特に、成形技術と表面処理技術においては、先進的な技術開発と導入を推進しています。 樹脂外装部品では、ラジエターグリルやミリ波レーダーカバーなど多様な製品を供給しており、高品質な塗装技術や光輝処理技術を有しています。 金属・モールディング部品では、ロール成形技術や押出技術、3次元特殊曲げ加工技術を組み合わせ、ドアやウィンドウ部に装着されるモールディングを生産しています。また、長年培ったプレス加工技術を活用し、複雑なデザインにも対応可能です。 アルミルーフレールの生産では、5軸CNC加工やストレッチベンダーを活用し、ルーフパネルに沿った3次元特殊曲げ形状の製品を生産しています。 自動車純正用品事業では、自動車メーカーのニーズに合った用品の企画・開発・提案が得意で、長年の取引関係を活かして自動車を魅力的にする用品を提供しています。 これらの技術力と企画力を活かし、国内外の自動車メーカーへ製品を供給し、グローバルに事業を展開しています。また、独自の同期生産活動であるFPS活動を導入し、製品・サービス・技術・品質・価格競争に対応しています。 研究開発にも注力しており、アルミや樹脂材を活用したルーフレールやクロスバー開発、コネクティッドカー向け無線通信ユニットの開発などを行っています。 知的財産の管理については、特許権の取得による保護を図り、他社の知的財産権を侵害しないようリスク管理にも努めています。 健康経営にも注力しており、健康経営宣言の展開や管理体制の確立に取り組んでいます。リスク管理では、リスク管理委員会を中心に、事業戦略リスク、事業運営リスク、環境リスク、災害リスクなどの管理に取り組み、グループ会社に適用しています。 これらの強みを活かし、ファルテックグループは、国内外の自動車業界でプレゼンスを高め、拡大が予想される自動車のグローバル需要に対応する方針です。
弱み
ファルテックグループの事業における主な弱みは、まず、価格競争の激化があります。グローバル調達が進む中で、製品や商品の価格競争が年々厳しくなっており、特に自動車業界では、長期取引を前提とした原価低減活動が行われ、量産開始後も継続的な価格引き下げ圧力がかかっています。 次に、原材料・部品の調達リスクです。外部から調達する原材料や部品の価格変動や調達市場の需給バランスの影響を受けやすく、材料価格の高騰や調達難が事業に影響を及ぼす可能性があります。 為替レートの変動リスクも挙げられます。現在、輸出入の割合は少ないものの、子会社への貸付金に関して為替リスクがあり、為替差損益が事業に影響を与える可能性があります。 さらに、品質問題・製造物責任リスクがあります。品質管理基準に従って製品を製造しているものの、欠陥や品質不良が発生した場合、リコールやクレームにより顧客の信頼が低下し、事業に影響を及ぼすリスクがあります。PL保険に加入していますが、損害賠償額を十分にカバーできる保証はありません。 知的財産リスクも課題です。自社技術の特許取得による保護を図っていますが、第三者の知的財産権を侵害する可能性や、認識していない特許権の存在によって、損害賠償請求を受けるリスクがあります。 自然災害・感染症リスクも無視できません。国内外に生産拠点があるため、地震や台風等の自然災害、火災などによる生産停止や設備の損壊、また従業員の感染症拡大による操業停止のリスクがあります。取引先の感染症拡大による操業停止も、事業に影響を与える可能性があります。 英国事業の再建も重要な課題です。英国子会社の事業用資産の収益性の低下が予想され、減損損失を計上しています。 中国市場での日系メーカーのシェア低下も懸念されています。特に自動車業界において、中国市場での日系メーカーのシェアが低下するリスクがあります。 最後に、自己資本比率の低下があります。自己資本比率が低下傾向にあり、財務体質の強化が課題となっています。