強み

株式会社ユタカ技研の強みは、グローバルに展開する製造・販売ネットワークと、高い技術力にあります。同社グループは、日本、北米、南米、中国、アジアといった主要な自動車市場に生産拠点を持ち、各地域での需要に対応できる体制を構築しています。特に、アジア地域においては、インドネシアでの二輪車部品の販売が好調に推移しており、収益の柱となっています。また、独自の技術を用いて、高い付加価値や世界トップレベルの競争力を持つ製品の開発と生産に努めており、特に四輪自動車部品の排気系部品と駆動系部品においては、安定的な収益を確保しています。さらに、同社は、本田技研工業株式会社との長年の取引関係を基盤とし、安定的な受注を確保している点も強みと言えます。加えて、コスト削減施策にも積極的に取り組んでおり、例えば中国市場においては、製品に含まれる貴金属の価格下落や顧客からの受注減による減収があったものの、費用削減施策によって営業利益を増加させています。人材育成にも力を入れており、将来に向けた人的資本投資も行っています。

弱み

株式会社ユタカ技研の弱みとして、まず挙げられるのは、親会社である本田技研工業株式会社グループへの依存度の高さです。売上の多くを本田技研工業グループに依存しているため、同グループの販売状況の変化が同社の業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の市場における多くのメーカーとの熾烈な競争に晒されており、強い価格変動圧力に常に直面しています。さらに、為替レートの変動も同社の業績に影響を与える要因であり、複数国での生産・販売活動や部品の輸出入を行っているため、為替変動リスクへの対応が不可欠です。加えて、貿易リスクも存在し、関税率の変動や新たな輸出入規制の影響を受ける可能性があります。これらの外部環境の変化に加えて、内部的な課題として、従業員数の減少が挙げられます。2020年3月期から2024年3月期にかけて、従業員数が954人から846人へと減少しており、人材の確保・育成も課題となっています。また、電気自動車の台頭による内燃機関車の減少も長期的な課題であり、この変化に対応するために、新たな事業戦略を構築する必要性が高まっています。